2019/09/24

附属臨海実験所の岡西政典特任助教が令和元年日本動物学会奨励賞を受賞

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岡西政典特任助教


附属臨海実験所の岡西政典特任助教が、2019年9月13日に大阪市立大学で開催された日本動物学会第90回大阪大会におきまして、日本動物学会奨励賞を受賞されました。本賞は、動物学の分野で活発な研究活動を行い、将来の進歩・発展を強く期待される若手研究者に贈られるもので、受賞研究テーマは「形態と分子に基づくクモヒトデ綱(棘皮動物門)の系統分類学的研究」です。

岡西博士は、多数の標本の観察・分析によりツルクモヒトデ類を中心としたクモヒトデ綱の系統分類学的研究を進め、多くの未記載種の同定、形態形質の再検討、分子系統学的な分析を行うことにより、これまで混乱していたツルクモヒトデ類の分類体系を確立し、棘皮動物の分類学に大きな前進をもたらしました。岡西博士の研究は、X線マイクロCTなど最新の解析技術を導入した形態観察に、系統地理的な分析、古生物学的な検討を加えることにより、総合的かつ独自の視点からクモヒトデ類の系統進化に迫るもので、今後の研究の発展が大いに期待されます。

また、岡西博士は、クラウドファンディングによる研究費の獲得や一般向け図書の執筆など、学問分野の振興やアウトリーチ活動を積極的に展開しており高い評価を得ています。

このたびのご受賞に心よりお喜びを申し上げます。

令和元年日本動物学会奨励賞
https://www.zoology.or.jp/news/20190603zsj-award


(文責:生物科学専攻 教授 藤田敏彦)

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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