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2019/06/27
生物科学専攻の鈴木郁夫准教授が2019年度日本神経科学学会奨励賞を受賞

鈴木郁夫准教授
このたび鈴木郁夫准教授が2019年度の日本神経科学学会奨励賞を受賞されました。誠におめでとうございます。鈴木博士は、脊椎動物の神経幹細胞の振る舞いに着目することにより、生物種固有の脳構造が進化・発生上どのように規定されているのかという問題に取り組んできました。鈴木博士は、げっ歯類と鳥類の神経幹細胞の振る舞いについて比較解析し、その脳構造の大きな差異にも関わらず、神経幹細胞の分裂様式は両者で保存されていることを示しました。また近年では、ヒト固有の遺伝子群を網羅的に同定し、その中のNotch2遺伝子が神経幹細胞の分裂様式を制御することにより、ヒト脳の肥大化に大きな役割を果たしていることを明らかにしました。本研究は、生物の進化の歴史において、ヒトが特別な脳構造を獲得した仕組みの一端を明らかにするとともに、一部の脳発達障害の原因解明にも繋がる大きな成果として高く評価されています。このたびの受賞にお喜びを申し上げるとともに、ご研究の益々の発展を祈念致します。
2019年度日本神経科学学会奨励賞
https://www.jnss.org/syorei/list/
(文責:生物科学専攻 教授 榎本和生)
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―