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2019/06/27
絶滅危惧種の弱さをゲノム情報で評価
~生態系保全への応用に期待~
東北大学大学院生命科学研究科
京都大学大学院農学研究科
東京大学大学院理学系研究科
概要
東北大学大学院生命科学研究科の浜端朋子研究員と牧野能士教授らのグループは、京都大学大学院農学研究科、東京大学大学院理学系研究科附属植物園(小石川植物園)との共同研究により、小笠原諸島の絶滅危惧植物とその近縁普通種のゲノム情報を比較し、絶滅危惧種のゲノムに見られる特徴的な3つのパターン[遺伝的多様性の低下、有害な変異の蓄積、重複遺伝子の低含有率]を発見しました。この研究は、生物種の絶滅の危険性をゲノム情報から予測可能であることを示す重要な報告であり、保全生物学分野への応用が期待されます。本研究結果は、6月27日付のCommunications Biology誌(電子版)に掲載されました。本研究は、環境省の環境研究総合推進費「遺伝情報解読ブレークスルーを活用した種の保存法指定種の最適保全管理(4-1605)」および「ゲノム情報に基づくテーラメイド生物多様性保全策の構築と検証(4-1902)」により実施されました。
図1. 本研究で解析を行った(絶)小笠原産絶滅危惧種と(普)広域に分布する普通種 個体数は推定の野生生育数を示しています。
なお、本研究には、邑田仁東京大学名誉教授と理学系研究科附属植物園(小石川植物園)の小牧義輝技術専門職員が参加しています。
詳細については、 東北大学 のホームページをご覧ください。
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―