特集コンテンツ
2019/03/01
化学専攻の大越慎一教授が第71回日本化学会賞を受賞

大越慎一教授
化学専攻の大越慎一教授が、第71回日本化学会賞を受賞されました。この賞は学術研究を通し、化学分野において顕著な貢献をした研究者に贈られる賞です。
大越先生は、新しい分子設計に基づいた無機材料を開発しており、それらの固体相転移現象を活用した機能や物性変化について研究しています。具体的には光、熱、蒸気、圧力などの外部刺激に応答し相転移を起こすシアノ架橋型金属錯体や金属酸化物を扱われており、これらが相転移前後で劇的に磁性、光物性が変化する現象を追究されています。これらの研究を通し、「キラル光磁性体」、「光磁極反転現象」、「磁化誘起第二高調波発生」、「ミリ波材料学」、「蓄熱セラミックス」などの様々な新概念を提唱されています。大越先生のご研究は学術的にも価値が高く、また様々な応用が考えられるため新素材として実用化も期待されています。一部の研究については企業との共同研究も開始されています。
この様に大越先生は、独創的着想に基づき数多くの最先端機能物質の創生を行っており、その顕著な研究成果は物質科学分野に新しい視点を与えるものです。また、世界的に非常に高い学術的評価とともに、産業界からも大きな着目を浴びています。これらのご業績が高く評価され、今回のご受賞となりました。心よりご受賞をお祝い申し上げます。
第71回日本化学会賞
http://www.chemistry.or.jp/news/information/30-6.html
(文責:化学専攻 准教授 山野井慶徳)
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―