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2018/04/18
坂本助教が平成30年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞

坂本良太助教
化学専攻の坂本良太助教が、平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞されました。授賞対象は「機能性分子低次元系のボトムアップ創製に関する研究」で、金属錯体をモチーフとした分子低次元系のボトムアップ合成と機能の発現に関する最近の独創的な研究が高く評価されました。
坂本氏は、一次元ナノワイヤについては、電極・気液・液液界面という二次元反応場での錯形成反応を駆使したユニークな金属錯体オリゴマー、ポリマーの合成法を探求し、モノマー数・形状の精密制御、二次元規則整列、単一分子ワイヤへの剥離を実現しました。それらの機能として高効率な電荷輸送能、熱電変換特性、円偏光発光特性を示すことを見出しました。二次元ナノシートについては、界面合成法を用いて金属錯体の単一層から多層までの任意の厚みをもつ超薄膜の精密合成を実現しました。それらは化学構造のチューニングによって、光電変換特性、エレクトロクロミック特性、トポロジカル物性、導電性などの機能を示します。
現在、分子を構成要素とする低次元系物質が、革新的な機能を持つナノ材料として注目されています。坂本氏は、その先陣を切る独創的な研究を次々と展開しています。
坂本氏の今回の受賞を心からお祝いするとともに、日本の化学とその周辺分野を牽引する次世代のリーダーとして、今後のますますのご活躍を期待しています。
平成30年度文部科学大臣表彰
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/04/1403097.htm
(文責:化学専攻 教授 西原寛)
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―