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2018/03/09
銅酸化物高温超伝導体で超伝導の“さざ波”のヒッグスモードの観測に成功
東京大学低温センター
東京大学大学院理学系研究科
産業総合技術研究所
概要
東京大学低温センター・ 理学系研究科物理学専攻島野亮教授らの研究グループは、理化学研究所辻直人研究員、産業技術総合研究所電子光技術研究部門青木秀夫招聘研究員(東京大学名誉教授)の理論研究グループ、およびパリ・ディドロ大学Yann Gallais教授(2017年1月-3月 東京大学理学系研究科GSGC教授)らと共同で、銅酸化物高温超伝導体でヒッグスモードと呼ばれる超伝導の励起(さざ波)が存在することを実験により初めて明らかにしました。素粒子物理でのヒッグス粒子に相当するヒッグスモードは、その理論予測から約50年を経て、最近標準的な低温超伝導体で発見され、その観測は超伝導の性質を調べる新しい手法として注目されていました。これが、高温超伝導体でどうなるかに大きな興味がもたれていましたが、高温超伝導体でもヒッグスモードが存在することが実験により初めて明らかになり、これから高温超伝導体の性質の理解が一層深まるものと期待されます。
銅酸化物高温超伝導体のd波超伝導秩序変数が振動する様子の概念図。
照射するテラヘルツ電磁波パルスの振動に追随して超伝導の秩序変数の大きさが振動する。
詳細については、東京大学低温センターのホームページをご覧ください。
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―