2017/12/18

生物科学専攻西増弘志助教が、第1回日本医療開発研究大賞・日本医療研究開発機構(AMED)理事長賞を受賞

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安倍首相と



生物科学専攻西増弘志助教が、第1回日本医療開発研究大賞・日本医療研究開発機構(AMED)理事長賞を受賞されました。

西増助教は、「ゲノム編集ツールCRISPR-Cas9の作動機構の解明及び新規ツールの創出・実用化」に関する研究に対して受賞されました。

近年、生命の設計図であるゲノム情報を人為的に書き換える「ゲノム編集」とよばれる新規技術が注目されています。ゲノム編集では、Cas9とよばれるタンパク質を用いてゲノムDNAをねらった位置で切断します。Cas9はガイドRNAと複合体を形成し、ガイドRNAと相補的な塩基配列をもつDNAを選択的に切断します。しかし、Cas9がガイドRNAと協同してDNAを切断するしくみは謎に包まれていました。2014年、西増博士はCas9-ガイドRNA-DNA複合体の結晶構造を決定し、Cas9がDNAを切断する分子機構を世界にさきがけて解明しました。さらに、異なる特徴をもつ6生物種由来のCas9の結晶構造を相次いで決定し、CRISPR-Cas9がはたらく分子機構の理解に大きく貢献してきました。また、Cas9やガイドRNAを改変し、より利便性の高いゲノム編集ツールや新規の転写活性化ツールの開発にも成功しています。


日本医療研究開発大賞表彰式(平成29年12月13日)

第1回日本医療研究開発大賞
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/pdf/h29_iryoukenkyu_taishou.pdf

表彰式動画(6:35~)
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg16374.html


(文責:生物科学専攻 教授 濡木 理)

 

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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