2017/04/26

成田憲保助教が平成29年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞

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成田憲保助教


天文学専攻の成田憲保助教が、太陽系外の惑星(系外惑星)の軌道進化に関する先駆的な観測的研究によって、このたび平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞されました。

成田氏は、本研究科物理学専攻在学時に、国内にノウハウのない中、海外の研究者との共同研究を通して、受賞対象となった観測技術を習得されました。そして、中心星の自転に対して逆方向に公転する巨大惑星を発見されました。また、軌道面の大幅に傾いた巨大惑星を他にも検出し、こうした系外惑星が普遍的に存在することを示されました。この一連の研究は、惑星は中心星の自転と同じ方向に公転する、という太陽系での常識を覆す大発見です。さらに、こうした巨大惑星は元々の軌道を大きく変えて形成される可能性が高く、巨大惑星の移動という惑星系の構造を左右する重要な物理過程に対して観測的制約を与えた、という点で極めて重要で画期的な研究であると言えます。

近年では、この観測技術を応用し、系外惑星の大気の観測へと研究の幅を広げられています。それは、成田氏自身の研究に止まらず、日本の系外惑星研究の幅を広げ、国際競争力の強化につながっており、日本の天文学・惑星科学への寄与は甚大であると言えます。

成田氏の今回の受賞を心からお祝いするとともに、日本の系外惑星分野を牽引する次世代のリーダーとして、今後のますますのご活躍を期待しています。

平成29年度文部科学大臣表彰
 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/04/1384228.htm


(文責:地球惑星科学専攻 准教授 生駒大洋)

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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