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吉田直紀教授 第13回日本学術振興会賞・第13回日本学士院学術奨励賞受賞

吉田直紀教授
物理学専攻・カブリ数物連携宇宙研究機構の吉田直紀教授が第13回日本学術振興会賞と第13回日本学士院学術奨励賞を受賞されました。日本学術振興会賞は45歳未満の優れた若手研究者に対して与えられる賞で、全学術分野から25名程度が選ばれ、さらに特に優れた6名以内には日本学士院学術奨励賞が授与されることになっています。
吉田教授は、国際的に知られた宇宙の構造形成の数値シミュレーションの専門家であり、大学院生時代に他の2名とともに開発に協力した数値計算コードGadgetは、この分野の発展に大きく貢献した公開コードであり、国内外で広く用いられています。
吉田教授は、大規模数値シミュレーションを駆使して、宇宙論的初期条件から第一世代の天体が誕生する過程を詳細に追跡し、それらの多くは太陽の数十倍から百倍程度の大質量始原星となることを予言しました。大質量星はその後の超新星爆発やブラックホール形成・成長を通じて、様々な天文現象に関係しています。そのため、吉田教授は理論のみならず観測プロジェクトにも積極的に参加し、その検証を目指しています。特に現在日本がすばる望遠鏡を用いて実行している大規模サーベイ国際共同プロジェクトにおいては、変動天体の検出を始めとして、ビッグデータ解析手法を応用した時間軸天文学を主導しています。
吉田教授の今回の受賞を心からお祝いするとともに、今後のますますのご活躍を期待しています。
第13回(平成28年度)日本学術振興会賞
https://www.jsps.go.jp/jsps-prize/ichiran_13th.html
第13回(平成28年度)日本学士院学術奨励賞
http://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2017/011201.html
(文責:物理学専攻 教授 須藤靖)
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―