2016/04/15

林将光准教授が平成28年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞

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林将光准教授

物理学専攻の林将光准教授が、平成28年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞されました。この表彰は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者に与えられるものです。

林准教授は「電流駆動磁化制御と薄膜へテロ構造のスピン軌道効果の研究」の業績により本賞を受賞されました。磁化の向きを情報の記憶ビットとして用いるスピントロニクス素子は、高性能の不揮発性メモリや不揮発性論理演算素子へ応用できるとして期待が高まっています。林准教授は、大容量メモリの根幹を成すシフトレジスタの基本動作を強磁性ナノ細線を用いて実証し、実用化に向けた重要な一歩を示すとともに、磁性体ナノ構造における磁化のダイナミクスに関する現象の物理解明に寄与しました。また、林准教授は薄膜へテロ構造におけるスピン-軌道相互作用に起因した物理現象に関する研究を推進し、磁化に作用するトルクの定量評価手法を確立するなど、スピントロニクスの新たな展開を切り開きました。これらの研究成果は、今後の情報化社会において重要な役割を果たすスピントロニクス素子の開発に大きく寄与するものと期待されています。

林准教授の顕著な研究成果に敬意を表すとともに、文部科学大臣表彰受賞に対してお祝い申し上げます。

平成28年度文部科学大臣表彰
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/04/1369460.htm


(文責:物理学専攻 教授 藤森淳)

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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