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2016/04/15
関根康人准教授が平成28年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞

関根康人准教授
地球惑星科学専攻の関根康人准教授が、文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞されました。関根准教授は、地球を始めとする惑星・衛星の起源や進化、特に、大気や海洋を構成する揮発性分子の化学進化や物質循環の理解を通じて、生命を育む惑星が形成・維持される根本原因を明らかにすることを目指して研究を行ってきました。
関根准教授の業績は多岐にわたりますが、特筆すべきは以下の3つです。まず、土星の衛星エンセラダスの内部海の物理化学状態を室内実験と探査データに基づき明らかにし、地球生命誕生の場としても有力な熱水環境が、地球外に現存することを初めて実証したこと。また、同じ土星衛星タイタンの厚い窒素大気の起源について、約40億年前に起きた隕石重爆撃説を提案し、大気形成論に新シナリオを提示したこと。さらに、約23億年の地球に起きた大気酸素濃度の急上昇のメカニズムを地質データに基づいても明らかにしたこと。これらの研究成果は多数の論文として発表されていますが、最近5年間にNatureおよび姉妹誌に発表した論文だけでも4編を数え、国際的な注目度の高さが窺えます。
このように分野横断的に、地球惑星科学のみならず周辺分野にも広く影響を及ぼしつつ、世界的に見ても独創的な研究を展開していることが高く評価され、今年度の文部科学大臣表彰若手科学者賞の受賞となりました。今後のさらなる活躍が期待されます。
平成28年度文部科学大臣表彰
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/04/1369460.htm
(文責:地球惑星科学専攻 教授 杉田精司)
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―