2015/12/07

立川裕二准教授が2016年基礎物理ニューホライズン賞を受賞

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立川裕二准教授

11月9日 (月) 、東京大学理学部物理学科准教授で東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構科学研究員の立川裕二(たちかわ ゆうじ)氏がブレークスルー賞財団が授与する2016年基礎物理ニューホライズン賞受賞者の一人に選ばれました。

基礎物理ニューホライズン賞は、基礎物理学における重要な貢献をしてきた将来有望とされる若手研究者へ贈られる賞です。本賞を含むブレークスルー財団の擁する基礎物理分野の賞は、2012年にロシア人投資家のユーリ・ミルナー氏により創設され、立川科学研究員が受賞した基礎物理ニューホライズン賞のほか、基礎物理特別ブレークスルー賞と基礎物理ブレークスルー賞の3つがあります。なかでも2016年基礎物理ブレークスルー賞はニュートリノ振動研究に貢献した7名の研究者と世界5つの実験グループが受賞しています。

立川科学研究員への2016年基礎物理ニューホライズン賞の授与理由は、超対称性の場の理論における傑出し且つ洞察力に優れた研究を行ったこととされました。立川科学研究員は例えば、2010年に共同研究者のアルディ (Alday) 氏とガイオット (Gaiotto) 氏と共に行った研究から、4次元と2次元の場の量子論でそれぞれ独立に計算されていた量が実は一致することを明らかにし、場の量子論研究において大きな進展をもたらすとともに、重力を含む統一理論の有力な候補とされる超弦理論の研究に手がかりを与えています。このように、場の量子論研究において大きく貢献してきました。

今回の受賞について、立川科学研究員は「このような形で評価していただけたのも、これまで所属した各研究機関が素晴らしい研究環境を提供してくださったこと、また、素晴らしい指導教員、共同研究者に恵まれたこと、また、家族が暖かく見守ってくれていることのお陰ですので、皆様に感謝するばかりです。今後とも、この賞で満足してしまうことなく、良い研究が出来るよう努力していきたいと思います」と述べています。

立川科学研究員はこれまで日本人で初めてのヘルマン・ワイル賞を2014年7月に受賞、2014年11月には理論物理分野における顕著な研究業績をあげた若手研究者(40歳未満)へ贈られる西宮湯川記念賞を受賞しています。
 

東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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