2014/12/16

生物科学専攻 福田裕穂教授が平成26年度日本植物学会賞学術賞を受賞されました

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福田裕穂教授


生物科学専攻 福田裕穂教授が平成26年度日本植物学会賞学術賞を受賞されました。この賞は、プライオリティーと創造性の高い研究を行い国際的に高く評価されている研究者に日本植物学会から贈られる賞です。受賞タイトルは、「植物維管束形成の研究」です。

福田教授は、植物の分化・組織形成のモデルとして、維管束の形成に着目し、その形成を司るメカニズムの解明にこれまで一貫して取り組まれてきました。初期には、試験管内でヒャクニチソウの道管要素を分化誘導する実験系を確立されました。これにより、植物ホルモンの制御、プログラム細胞死、二次細胞壁形成など、道管分化を導くプロセスの解析が可能となり、この実験系の確立は、植物細胞分化研究の発展の契機となりました。その後、モデル植物であるシロイヌナズナにおいて、生化学、分子生物学、遺伝学、情報生物学、また、細胞生物学に基づく多様な手法を駆使し、維管束分化・組織形成を司る数多くの鍵遺伝子の同定および機能の解明をされました。現在では、これまでに明らかにされている維管束形成で鍵となる因子のほぼすべてが福田教授のグループにより同定されたものであると言っても過言ではない状況となっており、福田教授は常に当該分野の研究を先導されてきました。また、福田教授は、これまで日本植物学会の会長をはじめとした多くの要職を務められており、植物科学の発展に尽力されてきました。このように、福田教授の極めて先駆的かつ独創的な研究成果、および、植物科学の進展に対する多大な貢献が高く評価され、今回の受賞となりました。今後のますますのご活躍を祈念しております。

(公社)日本植物学会のホームページ
http://bsj.or.jp/

(文責:生物科学専攻 准教授 伊藤恭子)



 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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