2014/10/03

理学部イメージコンテスト2014 最優秀賞・応募作品一覧

広報委員会(オープンキャンパス実行委員会)

東京大学大学院理学系研究科・理学部では、日々の研究の一こまにある美しい、あるいは楽しい瞬間を写真に収めて競う「東京大学理学部イメージコンテスト2014」を2014年8月6日・7日の両日、東京大学理学部オープンキャンパスにて開催しました。東大理学部の学生、教員の14作品を展示いたしました。当日は来場者の方をはじめ、スタッフや関係者による投票により、上位3作品が優秀賞に選ばれました。優秀賞受賞者には、表彰状及び賞品の図書券を贈呈し、作品は理学部1号館サイエンスギャラリーに9月中旬~11月末まで展示する予定です。受賞者の皆さま、おめでとうございます。コンテスト出品作品は東大理学部イメージバンクにも掲載の予定です。

イメージコンテストは来年度以降も開催する予定です。

最優秀賞

aikyatti
gold研究データ部門

「折り紙による双曲面の模型」

数理科学研究科 河野俊丈教授

双曲面は、曲率が負の曲面ですが、折り紙を用いると、折り幅を細かくすることにより、平面でいくらでも近似することができます。写真では、2つの放物線が双双曲面上で交わっていることが分かります。

コメント
  • 折り紙を用いた美しいアートです。数学とアートの接点を感じます。
  • 直線的な折り目の極限として綺麗に双曲面,放物線が現れている様子が見事です。また,コンピューターグラフィックではなく折り紙で表現されていることにも味わい深いものがあります。
  • 美しい折り紙の造形と数学の奥深さを感じさせる優れた作品です。
 

優秀賞

02silver研究データ部門

「電波受信中」

物理学専攻 博士課程2年 相馬達也

星の日周運動を背景にした国立天文台野辺山の45m電波望遠鏡です。以前、共同利用観測を行った際に撮影しました。周りを囲む山々が都会からの光を遮るため、電波でも可視光でも絶好の天体観測スポットです。

コメント
  • 日本国内でもこんなに美しい星空が見られる場所は限られているのでしょうか。野辺山天文台は是非訪れたいところです。
  • 大変美しい星空です。また,電波望遠鏡との対比で宇宙の広大さが感じられます。都会では星の観測が難しくなってきていますので,このような天体観測スポットの維持は重要だと思います。
  • 線となって映った星と望遠鏡のコントラストが美しい作品です。
 

優秀賞

OLYMPUS DIGITAL CAMERAsilver研究データ部門

「鉱物のカタチ」

地球惑星科学専攻 三河内岳准教授

鉱物の外形は中身の原子配列を反映しています。黄鉄鉱のように、サイコロのような形の結晶も存在します。決して四角く切ったものをつなぎ合わせたものではなく、自然の織り成す技です。

コメント
  • ミクロの原子の配列がつくるマクロな規則正しいかたち。自然の妙を感じさせます。
  • 原子配列という微小な構造の繰り返しが,目に見える形にまでなって現れる。理屈では納得しても,それを実際に目の当たりにすると自然の不思議さを感じずにはいられません。
  • 人工のものとしか思えないようなサイコロ型が自然の造形であるとのこと、驚きました。
 

以下応募作品 6点

 
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
研究データ部門

「リチア電気石の縞模様」

地球惑星科学専攻 三河内岳准教授

大きさわずか1cmほどのリチア電気石ですが、中心から外側にかけて色が変化しています。この色の変化は含まれている元素に対応しており、私たち はこの縞模様から結晶がどのように成長したかを探ります。

 
07
研究データ部門

「Adamite アダム石」

地球惑星科学専攻 竹之内惇志 修士課程2年

アダム石は砒酸塩鉱物で斜方晶系の鉱物である。357nmの紫外線を照射して蛍光している様子を撮影した。紫外線を当てることで電子が励起し、それが基底状態に戻る際にエネルギーを光として放出することでこの様に見える。

 
08
研究生活部門

「鉛と亜鉛の炭酸塩結晶」

地球惑星科学専攻 小暮敏博准教授

溶液から析出した炭酸鉛(cerussite,PbCO3)の結晶とさらにその表面に見られた亜鉛の炭酸塩結晶(赤く色をつけた部分)。走査電子顕微鏡像(Hitachi S-4500,2KV)にPhotoShopを使って着色。

 
09
研究・生活データ部門

「海の歴史書の掘削現場」

地球惑星科学専攻 伊佐治 雄太修士課程2年

船上で海底堆積物コアを採取するための準備が進められている。採取されたコアを分析することで、過去数万年から現代にかけての陸域・海洋環境の変遷を読み解くことができる。白鳳丸KH-13-4航海、マレーシア沖にて。

 
06
研究データ部門

「方解石双晶」

地球惑星科学専攻 竹之内惇志 修士課程2年

方解石研磨薄片の偏光顕微鏡クロスニコル写真。チェック柄のように見える領域は方解石が双晶を示している。双晶している領域は結晶方位が母石と異なるため、母石が消光していても消光せずこの様に見える。

 
05
研究データ部門

「Fluorite 蛍石」

地球惑星科学専攻 竹之内惇志 修士課程2年

蛍石はCaF2組成で等軸晶系の鉱物である。この幾何学的な形状はこの鉱物の形成環境や結晶中の構造・微細組織を反映している。また、下部は双晶しているため結晶方向が異なっている。

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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