2014/04/10

伊藤(大橋)恭子准教授が文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞

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伊藤(大橋)恭子准教授

このたび、生物科学専攻の伊藤(大橋)恭子准教授が「植物の細胞運命決定を制御する分子機構の研究」により、平成26年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞されました。

本賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者に贈られるものです。伊藤准教授は、植物細胞の発生運命の制御機構について、気孔細胞分化系と維管束細胞分化系の2つの実験系を用いて解析しました。気孔細胞分化系においては、3つの近縁な転写制御因子が、その分化における連続した3つのステップで、それぞれマスター制御因子として働くことを明らかにし、気孔分化の基本的な分子機構を解明しました。維管束細胞分化系においては、維管束の初期形成、木部分化の推進、および、道管分化の実行を司る転写制御因子について解析を行いました。そして、これらの転写制御因子により細胞分化へと向かうプロセスを網羅的な遺伝子発現解析から明らかにしました。これらの結果から、植物細胞の発生運命制御を支配する重要な遺伝子発現ネットワークが明らかになりました。

伊藤准教授の研究成果は極めて先駆的かつ独創的であり、今回の受賞は、植物細胞発生運命の制御機構の理解に大きく貢献したことが高く評価されたものです。

(文責:生物科学専攻 教授 福田裕穂)

文部科学省平成26年度文部科学大臣賞ウェブサイト
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/04/1346090.htm






―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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