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2014/03/24
榎本和生教授が塚原仲晃記念賞を受賞
このたび、生物科学専攻の榎本和生教授が「感覚ニューロン受容野の自己組織化と再編機構の解明」の功績により、第28回(2013年)塚原仲晃記念賞を受賞されました。
本賞は、脳の記憶・学習のメカニズムを知ることに一生を懸け、世界的な研究成果を発表し続けながら、日航機事故により夢半ばで不慮の死を遂げられた塚原仲晃教授(大阪大学基礎工学部)の業績を称え、生命科学の分野において独創的な研究を行っている50歳以下の研究者にブレインサイエンス振興財団から贈られる賞です。榎本教授は、ショウジョウバエ神経系をモデルとして、独自の生体イメージング法と分子遺伝学的手法を組み合わせた実験システムを構築することにより、感覚ニューロン受容野の自己組織化を担う重要因子を次々と同定し、その作動原理を世界に先駆けて解明しました。さらに、感覚ニューロン受容野の再編を担う分子細胞基盤の解明に取り組み、「樹状突起の再配置」や「不要樹状突起の選択的除去」などの基本メカニズムを発見し、新たな作動モデルを提唱しました。
榎本教授の研究成果は極めて先駆的かつ独創的であり、今回の受賞は、機能的な脳神経回路の構築原理の理解に大きく貢献したことが高く評価されたものです。
(文責:生物科学専攻 教授 岡良隆)
公益財団法人ブレインサイエンス振興財団 第28回 塚原仲晃記念賞HP
http://www.jnss.org/140314-08/
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―