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天文学専攻修士課程2年の泉拓磨さん、国際電波科学連合アジア環太平洋会議 Student Paper Competition 1st Prize を受賞
2013年9月3-7日に台北にて開催された、国際電波科学連合 URSI の アジア環太平洋地域会議 Asia-Pacific Radio Science Conference (AP-RASC'13) において、 天文学専攻修士課程2年の泉拓磨さんが Student Paper Competition 1st Prize を受賞しました。 学生が筆頭著者として本会議に提出された論文の中から、書類選考により、Finalist 5名の 一人として泉さんが選ばれました。さらに、公開でのプレゼンテーションと質疑応答を経て、1st Prizeの受賞が決まりました。天文学分野に限らず、通信・デバイス・大気(伝搬)・ またバイオ・医療への応用なども含めた分野横断的な本会議での受賞は、 非常に価値の高いものです。
泉拓磨さんは、南米アタカマ砂漠で建設が進み、初期科学運用を開始した、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計 (ALMA)を駆使して、活動的な巨大ブラックホールを持つ銀河 NGC1097のサブミリ波帯分子スペクトル線観測を行い、 濃い星間物質に覆われた銀河におけるエネルギー源を探る新しい診断手法を提案すると共に、その鍵となるシアン化水素分子輝線について、物理化学的解釈を与えました。 これは、巨大ブラックホールの形成進化過程を研究する上で、重要な進展をもたらす可能性があり、今後の更なる展開が期待されます。
(文責:附属天文学教育研究センター 教授 河野孝太郎)
Asia-Pacific Radio Science Conference Student Paper Competition HP
http://aprasc13.ntu.edu.tw/SPCfinal.asp
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―