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2012/11/05
近藤豊教授が紫綬褒章を受章
地球惑星科学専攻の近藤豊教授が、2012年11月3日の褒章発令において、学術、 芸術上の発明、改良、創作に関し事績の著しい方を対象とする紫綬褒章を受章されました。
近藤教授は永年にわたって、先端的な測定手法の開発にもとづいた地球大気環境 科学研究・教育の推進に努めてこられました。これらの研究では、教授は一貫し て高精度測定の追及という観測の原点に足場を置き、各種の測定器の開発にもと づいて気球、航空機、地上観測を世界各地で実施するとともに、国内外の研究プ ロジェクトを推進されてこられました。そして成層圏オゾンの破壊メカニズム、 対流圏大気の酸化力・大気質の変動要因、気候変動に関わるエアロゾル(微粒子 )の動態など、大気環境科学の重要課題の解明に傑出した業績をあげられてきま した。成層圏オゾン研究では、成層圏全高度での各種の窒素酸化物の直接測定を 世界で初めて成功させ、北半球中緯度や北極でのオゾン破壊メカニズムの解明に 重要な貢献をされました。また地球温暖化効果をもつエアロゾルであるブラック カーボンの測定手法の確立に尽力され、アジアや北極圏でのブラックカーボンの 動態を明らかとしてきました。
これらの研究は国際的にも高い評価を受け、2009年にはアメリカ地球物理学連合 (AGU)のFellowを受賞されています。
(文責:地球惑星科学専攻 准教授 小池真)
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―