2012/10/05

小石川植物園が「名勝及び史跡」に指定されました

 平成24年9月19日付けで、平野博文文部科学大臣より、小石川植物園(御薬園跡および養生所跡)が名勝及び史跡に指定されたとの文書が届きました。指定に際して、ご尽力いただいたみなさまに感謝いたします。

 

 小石川植物園の前身は、5代将軍となる前に徳川綱吉が住んでいた白山御殿の跡地に、幕府が作った「小石川御薬園」です。8代将軍吉宗の時代にほぼ現在の敷地に拡張されるとともに、入院施設のある病院「養生所(施療院ともいう)」も設けられました。現在でもその井戸が残っています。今回は、小石川植物園全体が名勝及び史跡として指定されました。小石川植物園は、明治10年に東京大学が設立されるとともに直ちに大学の附属となり、一般にも公開され植物愛好家に親しまれてきました。学生と教職員の交歓会でおいでになった理学系研究科関係者も多いかもしれません。これを機に、もっとご利用くださるようお願いいたします。

 

 今回の指定は、昭和25年(1950年)に施行された文化財保護法によるものですが、この法律のもとは、大正8年(1919年)施行の「史蹟名勝天然紀念物保存法」です。この法律の制定に努力したのは、ドイツへの留学経験のある、小石川植物園2代園長の三好学教授でした。桜博士としても知られる三好教授も、天上でおよろこびだと思います。

 

 今後は、名勝および史跡としての価値を保つとともに、世界第一線の植物科学研究施設としてさらに充実すべく努力したいと思います。

 


(文責:植物園長 寺島一郎教授)


三好学先生


―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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