2012/04/19

4/19 文部科学大臣表彰 若手科学者賞 所裕子特任助教の受賞を祝して

業績:「新規な相転移現象を示す物質創製に関する研究」
 
所裕子特任助教(化学専攻)が、「新規な相転移現象を示す物質創製に関する研究」のご業績で、平成24年度文部科学大臣表彰若手科学者賞をご受賞されました。

 所博士は、相転移理論をもとに、特殊な双安定性を有する相転移物質を化学的に合成し、新規な相転移現象および光誘起相転移現象を見出してきました。特に、ルビジウム−マンガン-鉄プルシアンブルー類似体などの相転移物質において、光誘起相崩壊、高速光磁性、光可逆強磁性−反強磁性相転移など、独創性あふれる新現象を次々と発見しました。また、その原理を金属酸化物へと応用し、室温で光誘起相転移を示す金属酸化物の発見に大きく貢献しました。これらの新物質は、国内外の多くの研究者から大変注目を浴びています。 これらのご業績は、所博士がポジション等には拘らずにひたむきに進めてきた相転移研究の積み重ねが実を結んだものであり、化学および物理の広い範囲で高く評価されております。所博士は、これまでにも、化学会ならびに物理学会の若手研究者の登竜門である日本化学会進歩賞(第60回 平成23年3月)ならびに日本物理学会若手奨励賞(第2回 平成20年3月)も受賞されており、また、現在、最先端・次世代研究開発支援プログラム(NEXT)の研究代表者として活躍されています。ここに文部科学大臣表彰若手科学者賞のご受賞をお祝いするとともに、より一層のご活躍とさらなる発展を期待しております。


(文責:化学専攻長 教授 小澤岳昌)

 

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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