2010/10/28

10/28 物理学専攻の五神真教授が松尾学術賞を受賞

五神真教授が、「レーザー分光法による固体における光量子物理学の研究」のご業績で、平成22年10月28日に第14回松尾学術賞を受賞されました。松尾学術賞は原子物理学と量子物理学・量子エレクトロニクスの研究で特に業績の顕著な研究者1名に贈られます。
 
本年2010年はレーザーの発明からちょうど50周年の節目の年にあたります。レーザーの発明により、光と物質の非線形相互作用やコヒーレント光学過程を利用した様々な新しい分光法が原子や分子系を舞台として開発され、レーザー分光学という新しい分野が拓かれました。五神教授はこの原子分子系の分野で培われた高感度高精度のレーザー分光法を固体の電子励起状態を探る新しい分光法として独自に展開する研究を進め、固体における電子励起状態の量子物性の解明とその光制御機能について研究を進めてきました。この一連の研究により、それまで、定性的理解に留まっていた、電子正孔系の多体相関や高密度励起現象について定量的な検証手段を与え、量子多体系としての特徴を捉えることに成功しました。これは光量子科学と物性科学の融合分野を拓いたものとして高く評価されています。
 
五神教授は、この他にも原子分光、微小光学など多岐にわたるテーマで顕著な業績をあげておられ、光科学分野のリーダーとして活躍されています。五神教授は本年4月に工学系研究科から理学系研究科に本拠を移し物理学教室で新たな研究を開始されています。ここに御受賞をお祝いし、五神教授のますますご活躍を祈念いたします。

(文責:物理学専攻・教授 早野龍五)

 


 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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