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2010/07/23
7/23 地球惑星科学専攻の小暮敏博准教授が2010年Jackson Mid-Career Clay Scientist Awardを受賞
本研究科地球惑星科学専攻の小暮敏博准教授が米国The Clay Minerals Societyの2010年Jackson Mid-Career Clay Scientist Awardを受賞されました。このJackson賞は39から60才までの、世界の第一線で活躍する研究者の中から毎年1人に贈られるもので、1992年からこれまでに著名な研究者18人が受賞しています。小暮准教授の今回の受賞は、日本はもとより東アジアの研究者として最初のものとなります。授賞講演及び受賞式は2010年6月10日スペインで行われました。小暮准教授はケイ酸塩鉱物や生体鉱物などを研究対象とされており、その中の一つが粘土鉱物(岩石の風化等により形成され、地球表層を覆っている非常に微細な無機物質の総称)です。粘土鉱物の多くは、その大きさがミクロンあるいはナノオーダーと非常に小さいものであり、その構造には未だ明らかにされていない多くの問題が残されています。小暮准教授は、電子顕微鏡に関する高度な知識と経験を駆使して、粘土鉱物中の局所的な構造を原子レベルで明らかにしてこられました。これらの一連の研究により粘土鉱物の成因や成長機構等について多くの新しい知見が得られ、地球の物質科学への多大な貢献をされました。今回の受賞は氏の十数年間にわたる業績に与えられたものです。なお、小暮准教授には、2007年に日本鉱物学会賞と日本粘土学会賞も贈られています。
(文責:地球惑星科学専攻・教授 村上隆)
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―