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2010/07/21
7/21 地球惑星科学専攻の棚部一成教授が日本古生物学会賞(横山賞)を受賞
本研究科地球惑星科学専攻の棚部一成教授が「日本古生物学会賞(横山賞)」を受賞されました。この賞は、古生物学で長年にわたり顕著な成果をあげたものに贈られるもので、今年75周年を迎えた同学会史上、棚部教授で12人目、現職の研究者としては初めての受賞です。本年6月12日に筑波大学で開かれた日本古生物学会総会において贈呈式が行われました。
今回の受賞は、主にアンモナイトやオウムガイなどの軟体動物頭足類を対象とした研究、特に現生頭足類と化石頭足類の比較解剖学・比較発生学・系統学的研究による画期的業績で世界を牽引し、国内では進化古生物学(生物学的古生物学)のリーダーとして数多くの若手研究者を育成したことが評価されたことによるものです。棚部教授は、他にもアンモナイトや二枚貝の幼生生態・古生態や、二枚貝を用いた骨格年代学、最近では生物地球化学的手法も取り入れた生物環境相互作用など、多岐に渡る研究を展開されており、これらの研究は、Nature誌も含め、国際的に定評のある学術誌などに105編の論文として発表されています。このほかに、 81編の論文がプロシーディングスやSpringer、 Plenum、 Wileyなどの出版社から刊行された論文集中に公表されています。棚部教授の一貫した仮説検証型の研究スタイルは、比較的記載的な研究が多い古生物学分野の中で際立っており、後進に多大な影響を与えています。
(文責:地球惑星科学専攻・教授 遠藤一佳)
棚部一成教授
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―