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2008/09/01
動物学会賞受賞 生物科学専攻 武田洋幸教授
2008年、本研究科生物科学専攻の武田洋幸教授は、「小型魚類を用いた脊椎動物発生機構の普遍的メカニズムの解明」の功績により、日本動物学会賞を受賞されました。 この賞は、学術上有益で動物学の進歩発展に重要な貢献をなす業績を挙げられた研究者に贈られます。
武田教授は、20年ほど前から小型熱帯魚ゼブラフィッシュを用いて脊椎動物の発生機構の解明に取り組んでこられました。中胚葉誘導や中枢神経系の 前後パターン形成の機構について、それまでの通説に一石を投じる研究を行いました。また体幹部の繰返し構造の形成メカニズムの研究では、実験発生学や分子生物学のみならず コンピューターシミュレーションも駆使し、高い評価を得ました。さらに、10年ほど前からは、日本で長い研究の歴史を持つメダカも研究材料に取り入れ、 ゲノムの解読や突然変異体の単離・解析を精力的に行い、メダカがモデル生物として広く世界で利用されるようになるのに大きく貢献されました。 武田教授の小型魚類を用いた研究はいずれも独創性が高く、様々な研究分野で大きな影響を与えています。
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―