高校生のためのサイエンスカフェ本郷
第8回高校生のためのサイエンスカフェ本郷
高校生(中学生)の皆さん、東大理学部で若手研究者による最先端の研究のお話を聞き、大学院生とお茶を飲みながら気軽にお話ししてみませんか?大学生生活、研究のこと、みなさんの質問になんでもお答えします! 当日は研究室見学も予定しています。ぜひご参加ください。
生命現象を「光」でライトアップ -細胞の中の分子を「みる」-
生き物は細胞からできている、ということをみなさんはご存じでしょうし、なかには、実際に顕微鏡で細胞の様子を見た方もいらっしゃると思います。では、細胞は何からできているのでしょうか。細胞の中には核やミトコンドリアと呼ばれる小さな器官があり、その器官はさらに小さな数ナノメートル(100万分の1ミリメートル)の「分子」から成り立っています。そのような細胞が私たちの体の中には60兆個もある、と知るとなんだか途方もない話のように思えますが、小さな小さな「分子」の頑張りによって私たちの生命は支えられているのです。私は、命を保つために生き物の体の中で活躍している数ナノメートルの分子の動きを「みる」方法の開発を行っています。今回、細胞内での分子の動きを光によって「みる」ためのツール開発にまつわるお話をご紹介します。また、生命現象を化学の言葉でひも解く研究の魅力をみなさんにお伝えしたいと思います。

- 講演者:
- 菅野憲
- 所属:
- 東京大学大学院理学系研究科化学専攻 助教
- 専門分野:
- 分析化学
- 経歴:
- 1995年3月 福島県立福島高等学校 卒業
- 2001年3月 東京大学理学部化学科 卒業
- 2003年3月 東京大学大学院理学系研究科化学専攻 修士課程修了
- 2006年11月 東京大学大学院理学系研究科化学専攻 博士課程修了,博士(理学)
- 2007年1月 東京大学大学院理学系研究科 客員研究員
- 2007年4月 東京大学大学院総合文化研究科 産学官連携研究員
- 2007年10月より現職
DNAで創るロボット -光学顕微鏡でも見えない極微小ロボットの実現に向けて-
みなさんは小さな頃、ブロック遊びをしたことはあるでしょうか?ブロック遊びでは、たった数種類のブロックを組み合わせることによって、複雑な形を様々に作ることができるのが醍醐味です。実は、DNAもそのようなブロックと見なすことができます。DNAはリン酸基、糖、塩基(A, T, C, Gの4種類がある)からなる分子で、その塩基配列中に生物の遺伝情報を保存しています。驚くべきことに、化学的な実験操作によって、基本的にはどんな塩基配列を持つDNAでも自由に合成することができ、塩基配列が異なるわずか数種類のDNAを混ぜるだけで、ナノメートル(100万分の1 mm)というスケールで複雑な形を自在に作ることが可能なのです。また、DNAに様々な分子を付加することによって、例えば、紫外線を当てると作った形がばらばらになるという細工を施すこともできます。さらに、形を作るだけでなく、DNAの化学的な性質を上手く利用することによって、「計算するDNA」を作ることさえ可能です。講演では、DNAを使ってロボットを創るという究極的な目標に向けて、どのような研究をしているのかをお話したいと思います。

- 講演者:
- 田中文昭
- 所属:
- 東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 助教
- 専門分野:
- 分子計算
- 経歴:
- 1997年3月 北海道苫小牧東高等学校 卒業
- 2001年3月 北海道大学工学部情報工学科 卒業
- 2003年3月 北海道大学大学院工学研究科システム情報工学専攻 修士課程修了
- 2005年9月 北海道大学大学院工学研究科システム情報工学専攻 博士課程修了
- 2005年4月 日本学術振興会特別研究員(DC2)
- 2005年10月 日本学術振興会特別研究員(PD)
- 2007年4月より現職
日時
2010年6月13日(日) 13:00~17:00(12:30開場)
会場
対象
高校生(中学生の参加も可能です。)
※保護者の方につきましては、講演のみご聴講いただけます。
定員
40名
※応募人数が超過した場合は抽選とさせて頂きます。
参加費
無料
申込
申込は終了しました。
決定通知
決定通知につきましては、5月24日(月)以降に行います。
主催
東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室
お問い合わせ先
東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室
- 電話:
- 03-5841-7601
- E-mail: