第28回東京大学理学部公開講演会 梶田隆章教授ノーベル賞受賞記念連続講演会「カミオカから宇宙をみる」
「カミオカから宇宙をみる」
岐阜県・神岡。小柴昌俊東京大学特別栄誉教授に続き、
梶田隆章東京大学特別栄誉教授のノーベル賞受賞を生み出したその地は、
世界でもまれにみる物理学の最先端研究の現場です。
素粒子・ニュートリノや重力波の研究が、
宇宙の姿を明らかにしつつあります。
次なる大きな成果は、目前に迫っているかもしれません。
講演者・講演内容
神岡での実験が捉えたニュートリノ
中畑 雅行(宇宙線研究所 教授)

2015年ノーベル物理学賞は梶田隆章氏とアーサー・マクドナルド氏に授与されました。受賞理由は「ニュートリノ振動、それによるニュートリノ 質量の発見」です。ニュートリノ振動の発見には、神岡の地下で行われたカミオカンデ、スーパーカミオカンデ実験が大きく寄与しました。カミオカンデは宇宙線が大気中で発生するニュートリノや太陽から飛んでくるニュートリノを捉えましたが、予想と異なる観測結果を得ました。スー パーカミオカンデはその理由が「ニュートリノ振動」であることを実証しました。こうした発見の歴史を紹介します。
ニュートリノ研究の発展と展望
横山 将志(物理学専攻 准教授)

1998年にスーパーカミオカンデで「ニュートリノ振動」が発見されて以降,この現象をより詳細に調べるため,粒子加速器で人工的に作ったニュートリノを数百キロ離れた測定装置で観測する実験が,世界中で行われるようになりました。その中で世界で初めて行われた「K2K実験」や,新たなニュートリノ振動のモードを発見した「T2K実験」など,スーパーカミオカンデ検出器を利用した日本の実験は世界をリードする成果を出し続けています。またこれらの成果を受け,次世代ニュートリノ測定装置「ハイパーカミオカンデ」を建設する計画が進んでいます。加速器ニュートリノ実験を中心としたニュートリノ研究の進展と,今後の展望をご紹介します。
重力波でさぐる宇宙
安東正樹(物理学専攻 准教授)

2016年2月11日、米国の重力波望遠鏡LIGOが重力波の初の直接観測に成功した、と発表しました。ブラックホール連星が合体し、より大きなブラックホールになる瞬間をとらえたのです。重力波の存在は、今から約100年前に一般相対性理論の帰結の一つとして、物理学者アルベルト・アインシュタインによって理論的に予言されました。一般相対性理論では、重力は時空の歪みとして理解されます。この歪みの変動が波として空間を伝搬していくものが重力波なのです。その存在は、連星パルサーの電波観測から間接的に証明はされていますが、間接的な証明はありましたが、直接観測されたのは今回が初めてでした。宇宙を観測する新たな手段となる「重力波天文学」が幕を開けたのです。国内でも、重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)の建設が現在進めらています。重力波は、物質をほぼ素通りして伝わることから、高エネルギー天体現象の中心部やブラックホール近傍、宇宙誕生直後の姿などを直接観測することも期待できます。本講演では、重力波とそれを用いた新たな天文学の可能性を紹介します。
開催日
2016年4月24日(日)
時間
14:00~17:00
※開場13:00 ※終了後、講演者との歓談の時間を設けます。
場所
東京大学本郷キャンパス 安田講堂 アクセスマップ
入場
無料 ※大学生・高校生もぜひ、ご参加ください。
申込み
こちら からお願いいたします。
※申込みが定員に達したため受付を終了しました。ありがとうございざいました。
定員
700名(事前申込み制)
※キャンセル待ちは行っておりません。
※当日受付ではメールで送信した受付番号を印刷してお持ち頂くか、携帯画面 での受付番号を提示を御願いいたします。 提示のないかたにつきましては、お断りする場合もございますが、 入場までにお時間を要しますことをご了承ください。
※当日の無断欠席はご遠慮ください。
※当日席有200席(安田講堂2階、先着順、整理券は13時より配布予定)。
中継
インターネット中継は終了しました。
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主催
東京大学大学院理学系研究科・理学部 東京大学宇宙線研究所
連絡先
東京大学大学院理学部広報室
電話 | 03-5841-7585 |
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