第24回東京大学理学部公開講演会「理学の天地人」
「理学の天地人」

講演は終了いたしました。
11月24日(日)、第24回東京大学理学部公開講演会は無事に終了いたしました。今回は、本郷キャンパス法文2号館法学部第31番教室での開催となりました。晩秋の好天にも恵まれ、当日は550名近い皆様にお越し頂き、関係者一同、心から感謝をしております。
この世界を構成するものを、昔の賢人は「天地人」とまとめました。自然の基礎を元から探究する理学の研究者たちは、あくなき探究心を天にも、地にも、そして人にも向け、人類共通の知を積み上げています。
今回は私たちを取り巻く天地人、つまり宇宙、火山、そして人類学の研究を通して、理学の魅力を感じていただければ幸いです。
講演者・講演内容
どうして同じ火山がいろいろな噴火をするの?
並木敦子(地球惑星科学専攻 助教)

今年は何かと富士山が話題にのぼりますが、登った事はありますか?登ってみると、小さな穴が無数にあいた石ころ(軽石)が沢山転がっている事に気が付きます。場所によっては、分厚い岩石のかたまり(溶岩)も目にします。このような岩石は地下のマグマが噴火で地表に現れ、冷えて固まってできた物です。軽石と溶岩の違いは噴火のしかたの違いを表しています。つまり、同じ富士山でも色々な噴火をした事がわかります。富士山に限らず、他の火山も色々な噴火をします。どのように噴火のしかたが決まるのかを知る事は、防災上もとても大切です。なぜ、同じ火山が色々な噴火をするのか、その理由をみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
結婚の理学
井原泰雄(生物科学専攻 講師)

世界の人々を見渡してみると、結婚のしかたは千差万別です。例えば、多くの社会で一夫多妻婚がありますが、一夫一妻を規範とする社会もあり、場所によっては一妻多夫婚もみられます。一方、そもそも異なる社会の習慣を結婚という同じことばで束ねられるのは、結婚の有り様に社会を通じた共通性があるためでしょう。結婚した男女は行動をともにし、家族をつくり、通常は父と子の間にも絆が生まれます。この共通性は、ヒトという動物がもつ生得的な傾向の反映なのかもしれません。しかし不思議なことに、ヒトに最も近縁なチンパンジーやボノボは、このような行動を全く示さないのです。一体ヒトはなぜ、いつから結婚するようになったのでしょうか。理学的アプローチを試みます。
宇宙暗黒の時代 –すべては星から生まれた–
吉田直紀(物理学専攻 教授)

「もっと遠くを見てみたい」とは、天文学者だけでなく誰もが持つ好奇心の一つでしょう。ガリレオが初めて望遠鏡を宇宙に向けて以来400年、より大きな望遠鏡を用いることでより遠くの宇宙の姿が明らかになってきました。現在、最新の大型望遠鏡を用いて見る事のできるもっとも遠い天体は我々から132億光年離れた場所にあり、宇宙が誕生してから5億年という早期に存在していたと考えられています。私たちの宇宙はどのように生まれ、初めは文字通り暗闇につつまれていた宇宙がどのように光で満ちあふれるようになったのか。
最新の観測とスーパーコンピューターシミュレーションの結果を交えて宇宙論研究の進展を紹介し、将来の観測への展望をお話します。
開催日
2013年11月24日(日)
時間
14:00~17:00(※開場13:00)
場所
入場
無料(事前申し込み不要。どなたでもご参加いただけます。)
定員
700名(当日先着順)
※高校生・大学生の方もぜひ、ご参加ください。
中継
インターネット配信を予定。
主催・問合せ先
東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室
電話 | 03-5841-7601 |
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URL | http://www.s.u-tokyo.ac.jp/PL24 |