第23回東京大学理学部公開講演会「理学の深遠 – 過去から現在、未来へ」
「理学の深遠 – 過去から現在、未来へ」

講演は終了いたしました。
4月21日(日)、第23回東京大学理学部公開講演会は無事に終了いたしました。今後2年間、耐震工事のため使用が出来なくなりました本郷キャンパス安田講堂に代わり、初の駒場キャンパス講堂(900番教室)での開催となりました。あいにくの天候にも関わらず、当日は500名を越える皆様にお越し頂き、関係者一同、心から感謝をしております。
次回の日程は決まり次第ご案内申し上げます。皆様のまたのご来場をお待ち申し上げております。
「ありのままの自然を理解したい」。そう願う理学の科学者たちは、大地、太陽、宇宙などがどのようにして生まれたのか、という問いを発し続けています。 これらの問に答えるには、自然の長い過去について知ることが必要です。 そして自然の姿を理解することは、これから人類がどのように過ごしていくかを決定するひとつの基盤になることから、現在の社会、未来世代との大きなかかわりを持っています。
今回の講演会では東北地方太平洋沖地震、太陽系の誕生、希少元素代替という3つの全く異なる切り口から、それぞれの深遠な理学の姿を、わかりやすく紹介します。
講演者・講演内容
電波観測で探る星の誕生 -太陽系の奇跡-
坂井南美 (附属ビッグバン宇宙国際研究センター 助教)

「生命の存在する地球のような惑星はこの宇宙にどれくらいあるのだろう?」 これは、古くから人類が持ち続けてきた疑問であり、私たちが宇宙に対して夢を抱く理由でもあります。 私たちの住む地球は太陽系の一構成員として46億年前に誕生しました。 その原始環境は、太陽そのものの誕生過程と深いかかわりを持っていたはずです。 多くの研究者の努力により、太陽のような星の誕生過程については急速に理解が進んできています。 しかし一方で、太陽のような星ができ、その周りに地球型惑星ができたとしても、本当に地球と同様に生命が誕生するような環境になるのでしょうか。 現在の太陽系環境がどれほどまで奇跡的なのか、最新の電波観測から考えてみます。
地質学的時間スケールでみた2011年東北地方太平洋沖地震
池田安隆(地球惑星科学専攻 准教授)

日本列島は数百万年以上かかって形成され、現在もなお成長しつつある造山帯です。 日本の歴史上おそらく最大規模となった2011年の東北地方太平洋沖地震すらも,地質学的時間スケールでみれば天変地異ではなくてごく普通の自然現象です。 超巨大地震や火山噴火など自然災害のリスクに富んだ日本列島に、数千年以上にわたり我々はあえて居を構えてきました。 それは活発な地殻変動や火山活動が一方では高い生物一次生産を持続的に支え、豊かな農業生産をもたらすからです。 本講演では、地質学的な時間スケールでみた東北地方太平洋沖地震の特徴を紹介し、理学の面白さの一端をお伝えしたいと思います。
元素代替に挑む
長谷川哲也 (化学専攻 教授)

石油同様、元素も貴重な資源であり、元素によっては枯渇が危惧されています。 資源に乏しい我が国では、希少な元素をありふれた元素で代替することが急務です。 本講演ではその一例として、希少元素を使わない透明導電体について紹介します。 透明導電体は液晶パネルや太陽電池等に欠かすことのできない部材ですが、これまではインジウムという希少元素が用いられていたため、代替材料の開発が求められていました。 また、もう一つの例として、毒性の強い鉛を使わない強誘電体(+‐に分極しており電圧を加えるとその向きが変わる物質)の開発にも触れます。
開催日
2013年4月21日(日)
時間
14:00~17:00 (開場13:00)
場所
東京大学駒場キャンパス講堂(900番教室)
(目黒区駒場3-8-1)
入場
無料。事前申し込み不要。どなたでもご参加いただけます。
定員
600名(当日先着順)
※高校生、大学生の方もぜひ、ご参加ください。
中継
インターネット配信を予定。
お知らせ
公開講演会のお知らせはメールでも行っています。詳しくはイベント通知メールの登録ページをご覧ください。
主催・問い合わせ先
東京大学大学院理学系研究科・理学部広報室
電話 | 03-5841-7601 |
---|---|
URL | http://www.s.u-tokyo.ac.jp/PL23 |