第22回東京大学理学部公開講演会「三者三様 理学が挑む」
「三者三様 理学が挑む」

講演は終了いたしました。
11月4日(日)、第22回東京大学理学部公開講演会は無事に終了いたしました。 当日は約700名の方に本郷キャンパス安田講堂にお越しいただき、広報委員会一同大変喜ばしく思っております。 また、講演修了後の講演者や大学院生、研究員との歓談の時間にも、多くの方に熱心にご質問いただきました。
次回の理学部公開講演会は2013年4月21日(日)に駒場キャンパス900番教室にて開催いたします。 またのご来場をお待ち申し上げております。
生命とは何か、物質の究極は、地球はどうなっていくのか.... ものごとを根源から理解したいという、人間の知的好奇心には限りないものがあり、その方向性も様々です。科学の発展は、人類の発展そのものです。 知的好奇心に駆りたてられた理学研究は、人類の発展の原動力でもあり、それは研究者の数だけあるといっても過言ではありません。 今回は、生命科学、物理学、地球科学の第一線で活躍する様々な年代の研究者が最新トピックに関する講演をおこない、わたしたちの知的好奇心に迫ります。
講演者・講演内容
メダカから探る恋心の神経機構
竹内 秀明 (たけうち ひであき)(生物科学専攻 助教)

東京大学大学院薬学系研究科機能薬学専攻博士課程修了、日本学術振興会特別研究員、日本学術振興会未来開拓事業リサーチアソシエイト、生物系特定産業技術研究推進機構派遣研究員、東京大学大学院理学系研究科産学官連携研究員、東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻助手を経て、2007年より現職。博士(薬学)。
ヒトを含む多くの動物において、配偶相手を選ぶ判断基準の一つに「異性の好み」があります。 私たちはメダカを実験材料に用いることで、「異性の好み」の判断を司る神経細胞の同定に成功しました。 メダカはペットとして身近な動物ですが、分子遺伝学的手法が適用できる実験動物としても注目されています。
本講演会ではメスの「異性の好み」を解析する行動実験系を作ってから、目的神経細胞の同定に至るまでの道のりをお話しします。 これに加えてメダカのオスの配偶行動がメスの好みにあうように進化したことを支持する行動学的証拠を発見しました。 動物の「恋心」に関わる機構について脳の分子神経基盤だけでなく、行動進化の視点からもお話ししたいと思います。
ヒッグス粒子に迫る
浅井 祥仁(あさい しょうじ)(物理学専攻 准教授)

東京大学理学部物理学科卒業、同大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、日本学術振興会海外特別研究員、東京大学素粒子物理国際センター助手、東京大学素粒子物理国際センター助教授を経て、2006年より現職。博士(理学)。
ビックバンから生まれた宇宙ではすべての素粒子は光速で運動しているので、銀河から我々の様な生命まで多種多様な宇宙が創造されることがありません。 光の速度で運動していた素粒子に質量を与え、減速して止まらせたのは「ヒッグス粒子」と呼ばれる不思議な粒子です。 この粒子は普通の粒子と異なり、我々の住んでいる世界を満たしている不思議な粒子で、40年の長きにわたって世界中の研究者が探してきました。 このヒッグス粒子をとらえるため、一周27kmの巨大加速器(LHC)を世界中の研究者が協力して作りました。
この講演では、LHCの仕組みやヒッグス粒子と思われる粒子発見のお話や素粒子研究の今後についてお話しします。
海溝型巨大地震の新しい描像
木村 学(きむら がく)(地球惑星科学専攻 教授)

北海道大学大学院理学研究科修了。日本学術振興会奨励研究員、香川大学教育学部講師、助教授、カナダモントリオール大学招聘研究員、大阪府立大学総合科学部教授を経て、1997年より現職。理学博士。日本地質学会会長、公益社団法人日本地球惑星科学連合会長を歴任。
東北地方太平洋沖地震は、太平洋プレートが日本海溝から沈み込む事が原因で起こりました。 また西南日本の南海地震は、南海トラフという四国や紀伊半島沖にある海溝からフィリピン海プレートが沈み込むことで起こってきました。 そして今世紀中に発生する可能性が極めて高いと見られています。
これまでこれらの海溝とそこで起こる地震活動の研究は、遠くはなれた地点での観測を基になされて来ました。 しかし、日本が世界に先駆けて開発した超深度掘削船「ちきゅう」による海溝の直接観測は次々と海溝型巨大地震の新しい姿を描き出しています。 本講演では、いままで見ることができなかった「新しい描像」についてお話ししたいと思います。
開催日時
2012年11月4日(日)14:00~16:40(開場13:00)
※終了後、講演者との歓談の時間を設けます。
会場
東京大学本郷キャンパス 安田講堂 (文京区本郷7-3-1)
入場
無料。事前申し込み不要。どなたでもご参加いただけます。
定員
700名(当日先着順)
※高校生、大学生の方もぜひ、ご参加ください。
中継
インターネット配信を予定。
お知らせ
公開講演会のお知らせはメールでも行っています。詳しくはイベント通知メールの登録ページをご覧ください。
主催・問い合わせ先
東京大学大学院理学系研究科・理学部広報室
電話 | 03-5841-7601 |
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URL | http://www.s.u-tokyo.ac.jp/PL22 |