第21回東京大学理学部公開講演会「理学最前線 彼方にひろがる大宇宙、きらめく生命の小宇宙。」
「理学最前線 彼方にひろがる大宇宙、きらめく生命の小宇宙。」

講演は終了いたしました。
4月22日(日)、第21回東京大学理学部公開講演会は無事に終了いたしました。 当日は約1060名の方に本郷キャンパス安田講堂にお越しいただき、広報委員会一同大変喜ばしく思っております。 また、講演修了後の講演者や大学院生、研究員との歓談の時間にも、多くの方に熱心にご質問いただきました。
次回の理学部公開講演会は11月4日(日)に安田講堂にて開催いたします。またのご来場をお待ち申し上げております。
宇宙のすがた、太陽系誕生の謎、生命活動の神秘。 こうしたテーマがいつでも私たちを魅了して止まないのは、私たちがいったいどこから来たのか、という根本的な疑問に関係しているからかもしれません。 そんな疑問に対峙し謎を解き明かすのが理学研究の醍醐味。 今回は、宇宙分野・生物分野で第一線を走る研究者が、最新のトピックスにスポットを当てます。
講演者・講演内容
加速する宇宙
横山 順一(よこやま じゅんいち)(附属ビッグバン宇宙国際研究センター 教授)

東京大学理学部物理学科卒業、同大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程中退、同大学理学部物理学科助手、米国立フェルミ加速器研究所客員研究員、京都大学基礎物理学研究所助教授、スタンフォード大学物理学部客員研究員、京都大学基礎物理学研究所助教授に帰任、大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻助教授を経て、2005年より現職。理学博士。
ビッグバン以来今日まで、宇宙は膨張を続けてきました。万有引力を及ぼし合う普通の物質が宇宙を満たしている限り、引力につられて膨張は徐々にスローダウンするはずです。 ところが、1998年、Ia型と呼ばれる遠方の超新星の観測により、宇宙の膨張速度は現在逆にスピードアップしていることが明らかになり、その発見者の三博士には2011年度ノーベル物理学賞が授与されました。 本講演では、その発見がいかにしてなされたか、理論的にどのような意味を持つのか、そして加速膨張する宇宙は将来どうなるのか? についてお話しします。
膜蛋白質の立体構造の神経科学および創薬への展開
濡木 理(ぬれき おさむ)(生物化学専攻 教授)

東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻博士課程修了、日本学術振興会特別研究員、理化学研究所基礎科学特別研究員、東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻助手、助教授、東京工業大学大学院生命理工学研究科生命情報専攻教授、東京大学医科学研究所基礎医科学部門教授を経て、2010年より現職。博士(理学)。
我々は、光が 当たると陽イオンを細胞内に取り込む膜蛋白質チャネルロドプシンの立体構造を世界で初めて解明し、チャネルロドプシンの初期反応機構を明らかにすることに 成功しました。 このタンパク質は任意の神経細胞を光照射によって興奮させられる有用なツールとして現在高い注目を集めており、今回の結果は、神経生物学や神経病理学の分野にも大きな影響を与えることが期待されます。 さらに、多剤排出輸送体MATEの構造を解明し、MATEの阻害ペプチドの創出に成功しました。 MATEは多剤耐性菌(MRSAなど)や抗がん剤耐性癌細胞で発現し、薬効を阻害する原因となる蛋白質です。 我々の研究から、効果的な薬剤治療の道が開けることが期待されます。
はやぶさサンプルからわかってきた小惑星イトカワの素顔
長尾 敬介(ながお けいすけ)(附属地殻化学実験施設 教授)

大阪大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程単位修得退学、岡山理科大学理学部助手、講師、助教授、岡山大学地球内部研究センター助教授、教授、東京大学理学部地殻化学実験施設教授を経て、1998年より現職。理学博士。
小惑星探査機「はやぶさ」は、2003年に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、2005年に小惑星「イトカワ」に着陸して表面試料を採取したのち、幾多の困難を乗り越えて2010年に地球へ帰還しました。 試料のほとんどが10分の1ミリより小さい微粒子でしたが、このサンプルリターンの成功で、特定の小惑星試料を実験室で精密分析して隕石との関連を調べることが初めて可能となりました。 国内の研究者達が最先端の分析技術を駆使して調べた、砂粒にも満たない微小な粒子からイトカワの素顔が明らかになってきた様子を紹介したいと思っています。
開催日時
2012年4月22日(日)14:00~16:40(開場13:00)
※終了後、講演者との歓談の時間を設けます。
会場
東京大学本郷キャンパス 安田講堂 (文京区本郷7-3-1)
入場
無料。事前申し込み不要。どなたでもご参加いただけます。
定員
700名(当日先着順)
※高校生、大学生の方もぜひ、ご参加ください。
中継
インターネット配信を予定。
お知らせ
公開講演会のお知らせはメールでも行っています。詳しくはイベント通知メールの登録ページをご覧ください。
主催・問い合わせ先
東京大学大学院理学系研究科・理学部広報室
電話 | 03-5841-7585 |
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URL | http://www.s.u-tokyo.ac.jp/PL21 |