第20回理学部公開講演会「理学が拓く未来」
「理学が拓く未来」

講演は終了いたしました。
10月30日(日)、第20回東京大学理学部公開講演会は無事に終了いたしました。当日は約700名の方に本郷キャンパス安田講堂にお越しいただき、広報委員会一同感謝しております。音楽会、講演、パネルディスカッションと最後まで多くの方に熱心にご参加いただきました。パネルディスカッションでは、基礎科学を目指す若手に活躍していただくために、何が必要か、また基礎科学と社会の関係については、世界観を変える基礎科学の価値をもとに議論が進みました。
次回の理学部公開講演会は2012年4月22日(日)に安田講堂にて開催いたします。またのご来場をお待ち申し上げております。
理学の魅力を伝えるため平成14年に始まった東京大学理学部講演会も回を重ねること20回を迎えました。 今回は、分子から個体レベルまでの理解を目指す植物学、原子の謎に迫る物理学の最前線を走る研究者による講演に加え、震災を経た社会における基礎科学研究のありようを考えるパネルディスカッションを行います。 さらに、講演に先立って、声楽家による音楽会を開催します。
講演内容
反物質
早野 龍五(はやの りゅうご)教授 (理学系研究科物理学専攻)

東京大学大学院理学系研究科物理学専門課程博士課程修了、東京大学理学部附属中間子科学実験施設 助手、高エネルギー物理学研究所助教授、東京大学理学部助教授を経て、1997年1月より現職。理学博士。
物質を構成する原子の中心には電荷がプラスの原子核があり、そのまわりを電荷がマイナスの電子が回っていることは皆さんご存知と思います。 ラザフォードが原子核を発見して100年目の今、私たちは、電荷がマイナスの 反陽子 のまわりを電荷がプラスの 陽電子 が回っている「反物質」を作り、その性質を詳しく調べています。 なぜ反物質を研究するのか、反物質は役に立つのか、反物質は私たちに不可欠なのか、などについて、ラザフォードの原子核の発見から現在に至る100年の歴史にも触れながらお話しします。
子どもの頃の興味から始まって、実際に植物学者になるまでの話
塚谷 裕一(つかや ひろかず)教授 (理学系研究科生物科学専攻)

東京大学大学院理学系研究科植物学専攻博士課程修了、日本学術振興会特別研究員、東京大学分子細胞生物学研究所助手、自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター助教授を経て、2005年10月より現職。理学博士。
小学生低学年の頃は昆虫少年でした。しかし昆虫はあまりに種数が多く、日本ですら、昆虫学者でさえ、その全ての名前を言い当てることができません。 それでは詰まらないと植物に転向し、そして植物学というものを知りました。 ただ単に植物の名前や習性を知るだけでなく、植物の生きる仕組みを、いろいろな方法で調べていく学問があると知ったのです。 顕微鏡を見るのも好きだった私は、細胞のレベルでの仕組みを知りたいと思いましたし、野外観察も好きだったので、突然変異が思った以上に頻繁に起きていることにも気付いて、遺伝学的な研究にも興味を持ちました。 そうした興味が、やがてどんな研究につながっていったか、紹介したいと思います。
パネルディスカッション
パネリスト
- 辻篤子朝日新聞 論説委員
- 丸山剛司 中央大学大学院公共政策研究科 理工学部 特任教授 (元文部科学省科学技術・学術政策局長、内閣府政策統括官)
- 山本正幸 財団法人 かずさDNA研究所 副理事長/研究所長 理学系研究科 客員教授
- 早野龍五 理学系研究科物理学専攻 教授
- 塚谷裕一 理学系研究科生物科学専攻 教授
- 音野瑛俊 理学系研究科物理学専攻 博士課程
司会
- 横山広美 理学系研究科 准教授
音楽会
菊地美奈(ソプラノ) 二期会会員

演奏予定曲
「アメージング・グレイス、私のお父さん 他」
他出演
- ピアノ 飯田俊明
- ヴァイオリン 牧千恵子(ドゥ・マルシェ)
- アコーディオン ミヤック(ドゥ・マルシェ)
開催日時
2011年10月30日(日)
12:00 | 開場 |
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13:00-13:05 | 開催ご挨拶 東京大学大学院理学系研究科 研究科長 山形俊男 |
13:05-13:45 | 音楽会 |
13:45-14:00 | 休憩 |
14:00-15:30 | 講演 |
15:30-15:45 | 休憩 |
15:45-17:15 | パネルディスカッション |
17:30 | 終了 |
会場
東京大学本郷キャンパス 安田講堂 (文京区本郷7-3-1)
入場
無料。事前申し込み不要。どなたでもご参加いただけます。
定員
700名(当日先着順)
中継
インターネット配信を予定。
お知らせ
公開講演会のお知らせはメールでも行っています。詳しくはイベント通知メールの登録ページをご覧ください。
主催・問い合わせ先
東京大学大学院理学系研究科・理学部広報室
電話 | 03-5841-7585 |
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URL | http://www.s.u-tokyo.ac.jp/PL20 |