第17回理学部公開講演会『理学がとらえる太陽と資源、エネルギー』

理学がとらえる太陽と資源、エネルギー

講演は終了しました

4月25日(日)、第17回東京大学理学部公開講演会は無事に終了いたしました。当日は約800名の方に本郷キャンパス安田講堂にお越しいただき、広報委員会一同大変喜ばしく思っております。3講演が行われ、いずれもユーモアたっぷりでわかりやすく、満足していただけたと思います。また、講演修了後の講演者や大学院生、研究員との歓談の時間にも、多くの方に熱心にご質問いただきました。

今後も年に2回、安田講堂にて開催していきますのでぜひ次回もご期待頂けますと幸いです。

近年エネルギーや環境の問題が人類共通の課題として注目されています。私たちの生存は、太陽の活動や地球の環境・資源、植物をはじめ生物による物質生産・消費といった、さまざまな要因の絶妙なバランスによって支えられており、それらを科学的に理解することが重要です。本講演会では、そうした研究の最先端を第一線の研究者がわかりやすく解説します。

中継

オンライン中継は終了しました。

日時

2010年4月25日(日) 14:00~16:40(13:00開場)

※終了後、講演者との歓談の時間を設けます

場所

東京大学本郷キャンパス 安田講堂

講演者・講演内容

われらが太陽

柴橋博資教授

柴橋 博資(理学系研究科 天文学専攻 教授)

太陽は地球上の全ての生命のエネルギーの源です。いつも変わらぬように光り輝いていますが、一方で黒点や突発的なフレアは日々の生活にも影響を与えたりもします。そんな太陽の活動の源は何なのでしょうか。どんな望遠鏡でどんな波長の光を使っても、太陽の内部を見る事はできません。しかし、最近では、「太陽の振動を使って、目では見えない筈の太陽内部を見る」、という事が可能となってきました。こういった手段を使った太陽内部の研究は「日震学」と呼ばれ、いまや目覚ましい進展を遂げるようになりました。こうしてわかってきた最新の「太陽」像をご紹介しようと思います。

講演趣旨

東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了、東京大学理学部・大学院理学系研究科助手、助教授を経て1998年より現職。理学博士。

葉はなぜ黒くないのだろうか - 光合成工場としての葉を解剖する

寺島一郎教授

寺島 一郎(理学系研究科 生物科学専攻 教授)

植物の葉は、太陽光のエネルギーを利用して水と二酸化炭素(CO2)から糖を作ることができます。これが光合成反応です。大切な資源である光をなるべく多く吸収するためには、葉は黒色であるのが理想的です。では、なぜ葉は緑色なのでしょう。実は、たいへん逆説的ですが、葉が緑色をしているのは、緑色光をうまく使うためなのです。葉の光合成工場のシステムとしての成り立ちから葉が緑色であるなぞに迫ります。

講演趣旨

東京大学大学院理学系研究科植物学専攻博士課程修了、オーストラリア連邦大学博士研究員、東京大学理学部・大学院理学系研究科助手、筑波大学生物科学系助教授、大阪大学大学院理学研究科教授を経て、2006年より現職。理学博士。

メタンハイドレートに非在来型エネルギー資源の可能性を探る

松本良教授

松本 良(理学系研究科 地球惑星科学専攻 教授)

石油・天然ガスなどの化石燃料は大気CO2濃度を上昇させるとして最近では悪役ですが、我が国の総エネルギー供給量の85%は化石燃料というのが現実です。世界的にも化石燃料依存度は80%を超えていますが、一方、石油埋蔵量は今後数10年で減少に転じると言われています。COM2削減と石油枯渇という2つの圧力への対応として、石油から天然ガスへのシフトが進んでおり、その中で、固体状の天然ガスであるメタンハイドレートへの期待が高まっています。メタンハイドレートとは何か? 日本周辺海域で明らかにされつつあるメタンハイドレートの資源としての可能性についてお話しします。

講演趣旨

東京大学大学院理学系研究科修士課程修了(地質学)、東京大学理学部助手、講師、助教授を経て1993年より現職。理学博士。

入場

無料。事前申し込み不要。どなたでもご参加いただけます。

定員

700名(当日先着順)

お知らせ

公開講演会のお知らせはメールでも行っています。詳しくはイベント通知メールの登録ページをご覧ください。

問い合わせ先

東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室

電話
03-5841-7585
E-mail