第16回理学部公開講演会『ガリレオ・ダーウィン・ラボアジエから現代の理学へ』
ガリレオ・ダーウィン・ラボアジエから現代の理学へ

講演は終了しました
11月8日(日)に開催された第16回東京大学理学部公開講演会は無事に終了いたしました。当日は約800名の方に本郷キャンパス安田講堂にお越しいただき、ご来場者数が年々増えていくことを広報委員会一同、大変喜ばしく思っております。
各講演ごとの質問時間には、なるほど、と思うような熱心なご質問が続きました。また、講演修了後の講演者や大学院生との歓談の時間にも、多くの方に熱心にご質問いただきました。
今後も年に2回、安田講堂にて開催していきますのでぜひ次回もご期待頂けますと幸いです。
今年はガリレオが望遠鏡を使ってから400年、ラボアジエが化学原論を出版してから220年、そしてダーウィンが生まれてから200年になります。彼らの成果を基礎として発展した近代科学は、今では、当時は想像するしかなかったものも研究対象にしています。現代の望遠鏡や顕微鏡などによって明らかになった理学の最前線を紹介します。
日時
2009年11月8日(日) 14:00~16:30(13:00開場)
場所
講演者・講演内容
南米アタカマ砂漠から探る見えない銀河の誕生

河野 孝太郎(理学系研究科 附属天文学教育研究センター 教授)
我々の住む天の川銀河をはじめとして、この宇宙に数多存在する銀河。これらが宇宙の歴史の中で、いつ、どのようにして形成されてきたのかを明らかにすることは、宇宙そのものの成り立ちを理解していく上で極めて重要な課題となっています。私たちは、生まれたばかりの銀河、それも、多量のガスや塵を持つために、可視光や赤外線では見ることのできない「隠された銀河」を、サブミリ波と呼ばれる電波の観測により、多数発見しつつあります。さらに、これらの銀河を作りだす「黒幕」とも言える暗黒物質の分布にも迫ろうとしています。南米アタカマ砂漠の高地から得られつつある、こうした最新の宇宙像をご紹介させて頂きます。
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了、日本学術振興会特別研究員(PD)、国立天文台電波天文学研究系助手、東京大学大学院理学系研究科助教授を経て2009年より現職。博士(理学)。
朝の光と朝ごはん:体内時計の時刻リセット

深田 吉孝(理学系研究科 生物化学専攻 教授)
地球上で繰り返されてきた一日周期の環境変化に適応し、生物は体内時計を獲得しました。体内時計に支配される一日周期の生理現象は概日(がいじつ)リズムと呼ばれます。ヒトの睡眠・覚醒の自律周期は約25時間で、もし毎日1時間ずつ遅れてゆくと2週間もしないうちに昼と夜が逆転してしまいます。しかし、普通に生活していると昼夜の逆転は起こりません。なぜかというと、体内時計は外部環境によって毎日リセットされ、24時間の環境サイクルに同調できる時刻合わせ機構をもつからです。ヒトの中枢時計は「朝の光」でリセットされ、末梢時計は「朝ごはん」でリセットされます。
京都大学大学院理学研究科生物物理学専攻博士課程修了、札幌医科大学医学部助手、京都大学理学部助手、東京大学教養学部助教授を経て1995年より現職。理学博士。
百聞は一見に如かず − 顕微鏡で見る有機化学 −

中村 栄一(理学系研究科 化学専攻 教授)
「目では見えないものを見たい。」これは古来からの人類の夢です。我々は最近オングストームサイズの小さな有機分子の動きを透過型電子顕微鏡で観察することに世界で初めて成功しました。これまでの化学は沢山の分子の平均像に基づく「分子の社会学」でした。しかし今、個々の分子の挙動を研究する「分子の心理学」が誕生したのです。もうじき化学反応の様子も目で見えるようになるかも知れません。16世紀末の顕微鏡や望遠鏡の発明は生物学や天文学に一大変革をもたらしました。果たして21世紀の化学は電子顕微鏡を使って勉強し、研究するものとなるのでしょうか。
東京工業大学大学院理工学研究科化学専攻博士課程修了、米国コロンビア大学化学科博士研究員、東京工業大学理学部助手、東京工業大学理学部助教授、東京工業大学理学部教授を経て1995年より現職。理学博士。
入場
無料。事前申し込み不要。どなたでもご参加いただけます。
定員
700名(当日先着順)
中継
インターネット中継は終了しました
お知らせ
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問い合わせ先
東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室
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