第2回理学部公開講演会
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第2回理学部公開講演会
鞭毛運動の機構-精子の運動をになう「9+2」構造の謎を解く

真行寺 千佳子(理学系研究科 生物科学専攻 助教授)
精子は鞭毛の運動によって前進遊泳し,卵に到達する.鞭毛は生物に見られるもっとも精巧な運動装置の一つである.その基本構造は「9+2」構造と呼ばれ,15億年も前から保存されているといわれる.200種類以上の多様な蛋白質から構成されるこの構造が,規則的で美しい波打ち運動(振動)を生み出す.鞭毛が振動運動を行う仕組みは最近少しずつ解明されてきた.この講演では,モーター蛋白質「ダイニン」の機能とその制御のメカニズムに焦点をあて,「9+2」構造の謎がどこまで解けてきたのかについてお話しする.
スーパーカミオカンデとニュートリノ

鈴木 洋一郎(宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設 教授)
カミオカンデによる1987年の超新星ニュートリノ観測,太陽ニュートリノ問題の確立により,ニュートリノ天文学という新しい分野が始まった.スーパーカミオカンデは,カミオカンデによる問題提起をさらに発展させ,ニュートリノ振動を確立し,ニュートリノに質量があることを明らかにした.日本で始まり,日本が世界を常にリードしているニュートリノ天文学の意味を,分かりやすいニュートリノの解説を含めお話しする.
小柴先生のノーベル賞受賞となった超新星ニュートリノの検出 - 理論とその後の進展 -

佐藤 勝彦(理学系研究科長,物理学専攻 教授)
1987年2月23日,我々の天の川銀河の伴星雲である大マゼラン雲で超新星爆発が起こった.この超新星からのニュートリノがカミオカンデで検出された.この検出の現場の近くいた理論家として,如何にそのデータを直ちに解析したか,またその後の理論的進展について解説する.
日時
平成14年12月20日(金)18:00~20:15 (開場17:00)
場所
東京大学・駒場キャンパス 数理科学研究科 大講義室