東大理学部 高校生のための冬休み講座 2015

東大理学部 高校生のための冬休み講座 2015

12月25日(金)

講義1
遺伝子から探るアジア人の進化 ~私たちの祖先が歩んだ道のり~
生物学科 大橋 順 准教授
大橋 順
— 経歴 —
東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻博士課程退学、東京大学大学院医学系研究科助手、助教、筑波大学医学医療系准教授を経て2014年より現職。博士(保健学)

ここ数年のDNA配列解析技術の飛躍的進歩によって、全ゲノム(全遺伝情報)レベルでヒトの遺伝子を解析できるようになりました。ネアンデルタール人の化石から抽出したDNAの配列を調べた研究によって、約5~7万年前にアフリカを出たヒトの祖先は、中近東あたりでネアンデルタール人と混血していたことがわかりました。その後、アジアやヨーロッパへ向かったヒトは、アフリカとは異なる環境に適応しながら進化し、肌の色や毛髪の形状などの形質に集団間で違いがみられるようになりました。本講義では、アジア人の移住の歴史やその過程で適応的に変化してきた形質について、遺伝子のデータをもとにみなさんと議論したいと思います。

講義2
チリもつもれば、赤外線で見る宇宙
天文学科 尾中 敬 教授
尾中 敬
— 経歴 —
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了、カリフォルニア大学サンディエゴ校博士研究員、東京大学理学部助手、助教授を経て、2001年より現職

夜空は目で見ると暗く、星のないところは闇のようにみえるが、実際には星間物質と呼ばれるガスと固体の微粒子が漂っている。このうち固体の微粒子は宇宙のチリはダストと呼ばれ、紫外線や可視光を吸収して温まり、赤外線で光っている。星間物質は可視光では暗黒星雲のようにネガとして捉えられるが、赤外線や電波では星などよりずっと明るく輝いている。ダストは目でみる光の観測では邪魔者扱いにされているが、赤外線や電波では大事な観測対象である。我々の地球もこのようなダストが積もってできた惑星である。宇宙のチリの研究は宇宙の進化にも大きな役割を果たし、赤外線観測は重要な観測手段になっている。