東大理学部 高校生のための冬休み講座 2015

東大理学部 高校生のための冬休み講座 2015

12月24日(木)

講義1
分子地球化学:分子レベルから環境・資源問題に臨む
地球惑星環境学科 高橋 嘉夫 教授
高橋 嘉夫
— 経歴 —
東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程修了、広島大学大学院理学研究科助手、准教授、教授を経て、2014年より現職。博士(理学)

我々の身の回りで起きる環境や資源に関する様々な問題は、原子分子レベルから調べることでより正しく理解できる。また、こうした原子分子レベルからのメカニズムの解明は、今後の地球環境の将来予測やその問題の工学的な解決にも貢献する。本講演では、このような分子地球化学的研究について、福島第一原発由来の放射性核種の挙動解析、地球温暖化や酸性雨問題に与えるエアロゾルの影響、微生物を用いたレアアースの分離・回収、地下水ヒ素汚染の原因解明などに関する我々の研究を例に挙げながら講演する。

講義2
目の前の量子力学 ~超伝導のふしぎ~
物理学科 小形 正男 教授
小形 正男
— 経歴 —
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程中退、東京大学物性研究所助手、スイス連邦工科大学チューリヒ博士研究員、プリンストン大学博士研究員、東京大学大学院総合文化研究科助教授、東京大学理学系研究准教授を経て2008年から現職。博士(理学)

原子や分子の世界では、われわれの身の回りの物理現象とはことなり、量子力学の法則にしたがった不思議な現象が起こります。たとえば、粒子が壁を通り抜けてしまうトンネル現象とか、粒子が波と同じような性質をもってスリットを通り抜けるとか、逆に波である光が光子とよばれる粒子のようにふるまったりします。ただし、これらはとても小さな原子・分子の世界での話です。ところが、電流が抵抗なしに永久に流れることができるという超伝導状態は、実は、われわれの身の回りの世界で量子力学が眼に見える形で現れたものだと考えられています。難しい問題なのですが、講義ではどのような考え方で超伝導現象が理解されているかをお話します。