東大理学部 高校生のための夏休み講座 2015

東大理学部 高校生のための春休み講座 2014

8月21日(金)

講義1
宇宙を支配する暗黒成分~ダークマターとダークエネルギー
天文学科 戸谷 友則 教授
佃 達哉
— 経歴 —
  東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、国立天文台理論天文学研究系助手、プリンストン大学天文学科客員研究員、京都大学大学院理学研究科物理学宇宙物理学専攻准教授を経て2013年より現職。理学博士。

宇宙は約140億年前の昔に熱い火の玉として誕生し、現在も膨張を続けています。このビッグバン宇宙論は、現在では極めて高精度な観測データに裏付けられています。しかしながら、精密観測データが明らかにした現在の宇宙の物質構成は我々に二つの新たな謎を突きつけています。「暗黒物質(ダークマター)」と「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」です。驚くべき事に、宇宙における存在量としては、我々がよく知っている原子や分子などの通常物質はこれら暗黒成分に比べればわずかなもので、宇宙は暗黒成分に支配されているとも言えるのです。この不思議な謎について、分かりやすく解説します。

講義2
アインシュタインの一般相対論から100年: 物理学者達が出会ってきたもの
物理学科 松尾 泰 准教授
松尾 泰
— 経歴 —
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、米国 シカゴ大学博士研究員、フランス高等師範学校研究員、東京大学理学部助手、京都大学基礎物理学研究所准教授などを経て1997年より現職。理学博士。

アインシュタインは1915年に一般相対論を発見し、ニュートン力学を越える重力理論の体系を確立しました。アインシュタイン方程式は幾何学に立脚した数学的に最も美しい方程式と呼ばれています。一方で、原子などの小さな物体を記述する量子力学も20世紀初頭に確立しました。この二つを統一的に理解しようと物理学者達は努力し続けてきましたが、それには意外な困難が待っており、多くの新しいアイディアが必要となりました。例えば空間は3次元でなく高次元である必要がある、万物の根源は点ではなくひもであるなどといったものです。このようなやや突飛とも思われるアイディアがなぜ必要になったのかを数式を用いずに解説したいと思います。