東大理学部 高校生のための夏休み講座 2015

東大理学部 高校生のための春休み講座 2015

8月18日(火)

講義1
p進数の世界
数学科 志甫 淳 教授
志甫 淳
— 経歴 —
東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了。東北大学大学院理学研究科助手、東京大学大学院数理科学研究科助教授、准教授を経て2014年より現職。博士(数理科学)。

実数は有理数であるとは限らないが、有理数の極限として書ける。ここで,極限を考える際には、2つの数の差の絶対値を距離として考えている。しかしながら、有理数において、絶対値という概念は実はたくさんある。各素数pに対して、p進絶対値という一見不思議な絶対値を考えることができ、この絶対値をもとにした距離を用いて有理数の極限全体を考えると、p進数という実数とは別の数の体系が現れる。p進数の世界はときに実数の世界とは違った様子をみせるが、整数論や代数幾何学の研究において重要なものとなっている。講義では,このp進数の世界を紹介したい。

講義2
アインシュタインの相対論と重力波天文学
物理学科 安東 正樹 准教授
安東 正樹
— 経歴 —
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、日本学術振興会特別研究員、東京大学理学部助手、同助教、京都大学理学部特定准教授、国立天文台准教授を経て2013年より現職。博士(理学)。

今から100年前、アインシュタインは一般相対性理論を完成させ、重力の概念を大きく変えました。現在では、一般相対性理論は、宇宙の進化やブラックホールを説明したり、GPSによって時刻や位置を正しく示す道具として用いられています。その一方で、一般相対性理論で予言されているが、未だに直接捕えられていないもの - アインシュタインの最後の宿題とも言われるもの - があります。それが重力波です。重力波は観測することは困難ですが、観測できれば、宇宙の新しい側面を私たちに伝えてくれることが期待できます。講義では、一般相対性理論と、重力波天文学の可能性についてお話します。