本音で話す 理学部の博士進学と就職 2013
博士進学か、それとも修士卒で就職か、迷っているあなた! 「博士⇒ポスドク⇒就職難」と決めつけているあなた! このキャリアシンポで一緒に考え、本音で議論してみませんか。 博士修了して企業に就職した、修士卒で企業に就職してその後大学にもどってきた、などなど、実は多様なキャリアパスがあるのです。 先輩たちもみな悩んで進路を決めていったのです。
日時
2013年2月19日(火) 17:30~20:00
場所
プログラム
17:30-17:40 挨拶
星野 真弘 副研究科長
17:40-17:50 「理学系研究科での就職支援」
久保 健雄 教務委員長
17:50-18:20 「メーカーの技術系社員として思うこと」
辻 尚志 (味の素製薬株式会社 取締役常務執行役員)

私は1979年に理学系大学院化学専攻修士課程を修了し、味の素㈱の中央研究所に入りました。 学生時代は有機合成化学を専攻していたのですが、最初の仕事はNMRを用いたタンパク質の構造解析でした。 幸いにもこの仕事で博士号を取得することが出来ました。 次のテーマは生体内の微量タンパク質を医薬品にする仕事で、これをきっかけとして、2年間の米国での留学を経て、帰国後に本格的に創薬に取り組むことになりました。 次の転機は2002年で、ある製薬会社を買収した際に、そこへ出向して会社を清算することも経験しました。 少し回り道をして、2007年に所長として医薬研究所に戻り、再度、創薬研究に取り組みました。 その間、医薬事業を味の素㈱から分社化することも経験し、今日に至っています。 研究開発から経営の一端まで、いろいろなことを経験した会社生活の中で感じてきたことを、皆さんにお伝えできればと思います。
18:20-18:40 「やりたいこと」と「できること」と「もとめられていること」
坂田 悠 (ヤフー株式会社 マーケティングソリューションカンパニー)

研究者を目指し博士以上に進学するか、それとも民間に就職するかなどキャリア選択は自分の人生を良くも悪くも大きく左右するため、何を基準に選択すれば良いのか、どの選択が自分にとってよいか、また選択後に本当にこれでよかったのかなど思い悩む人は少なからずいると思います。 私もかつてそうでしたし、正直今もまだそうです。 ただ、その時々の選択基準となりうる視点のひとつに、現時点での自分の「やりたいこと」、「できること」、「もとめられていること」を明確にし、それらを最大限重ねあわせていくというものがあるというのは知っておく価値があると思います。 本講演では、この視点に基づいた私のこれまでの選択(の失敗談?) とその時々に考えたことなどをお話したいと思います。
18:40-19:00 「やりたいことに挑戦する」
金 尚宏 (第一三共株式会社 循環代謝研究所)

人生でやりたいことは何でしょうか?
視野や価値観、環境が刻々と変化している中で、長期的に確定した答えはなかなか難しいと思います。 ただ、たった一度の人生、やってみたいという直感は大切にし、挑戦することが後悔の無い選択なのではと思います。 私は生命科学研究をライフワークにしたいと思い、学生時代は迷わず修士・博士課程に進学しました。 大学院では思うようにデータが出ずにつらい時期もありましたが、指導教官 (深田 吉孝教授) の熱心なご指導のもと、憧れの海外誌に論文公表し学位取得できました。 博士号取得後は研究の場を大学か企業かで悩みましたが、革新的創薬の実績のある製薬会社から内定を頂いたこともあり、その研究現場を学び創薬に挑戦したいと思いました。 現在は疾患メカニズムから生体分子標的を考え、その分子に対する創薬戦略の考案・実行に携わり、優秀な研究メンバーに励まされながら奮闘している毎日です。
19:00-19:20 「博士課程で得たものは何だったか –それを活かす選択–」
岩前 伸幸 (鹿島建設株式会社 技術研究所)

自分が取り組んでいる学問分野への興味 — 私が博士課程への進学を希望した理由はそれだけでした。 そこから、民間企業(しかも自分の研究テーマとは少し違う分野の)で働くことを選択するまでには色々な考え方の変化がありました。 本講演では、博士課程に進学してよかったこと、博士課程で修行を積むうちに考えたこと、民間企業で研究することを選んだ理由、実際に民間企業で働いて感じたこと(特にその面白さとやり甲斐)などについて、ざっくばらんにお話しできればと思います。 話全体に共通するテーマは「博士課程で得たものとそれを活かす選択」です。
19:20-19:55 パネルディスカッション・Q & A
- 司会
- 横山 広美(科学コミュニケーション・科学技術政策 准教授・広報室副室長)
19:55-20:00 終了の挨拶
参加対象者
大学院理学系研究科大学院生、理学部生、教養学部生
主催
東京大学大学院理学系研究科 教務委員会・広報委員会
問い合わせ先
東京大学大学院理学系研究科 広報室
電話 | 03-5841-7601 |
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