イベント情報
東大-JAXA学際理工学20周年記念公開シンポジウム
「宇宙科学と大学」
東京大学と宇宙科学研究所(当時)の間に、「学際理工学併任」の仕組みが発足したのは1987年でした。以来、2003年10月には宇宙科学研究所が宇宙航空研究開発機構(JAXA)へと統合され、2004年4月には国立大学が法人化されるなど、環境の激変がありましたが、この併任機構はそうした荒波に耐えて、本年めでたく発足20年を迎えました。
この併任は、JAXA宇宙科学研究本部の約30名の理工学研究者が、東大の理学系・工学系の合計8専攻において、東大本務の教員と対等な権利と義務の下に大学院教育に参画するという画期的な協定に基づいており、日本の宇宙科学の発展、および大学における理工学教育研究の先端化に、大きな成功を収めてまいりました。JAXA宇宙科学研究本部を中心とする日本の宇宙科学(理学・工学)が、限られた予算と人員で世界の三極の1つを担っている背後に、「大学共同利用」の理念があることは申すまでもありませんが、学際理工学はそうした大学共同利用の精神に則り、研究のみならず教育においても緊密な協力関係を実現してきました。この仕組みは今後、この10月5日にJAXAと東京大学の間に締結される包括協定の傘下で堅持され、包括協定に具体的な肉付けを与える重要な一環となると期待されます。
そこで東大-JAXA学際理工学の20周年を祝い、その足跡を辿るとともに、こうした密度の高い協力を堅持し、さらには激変しつつある現状を見据え、仕組をさらに広く敷衍すべく、関係者一同、「宇宙科学と大学」と題した公開シンポジウムを、下記の要領で開催することにいたしました。当日はJAXAおよび東京大学の関係者に加え、関連する大学、官界、産業界、マスコミなどからも識者をお招きし、多面的に宇宙科学と大学のあり方を論じていただく予定です。質疑応答の時間や、科学衛星の打ち上げビデオの上映時間を設けております。ふるってご参加ください。
公開シンポジウム





日時
2007年11月26日(月) 9:30~17:20 (9:00開場)
場所
プログラム
Session 1(9:30-10:40)
- 9:30 はじめに
- 井上一(JAXA宇宙科学研究本部長)
- 9:40 挨拶
- 小宮山宏(東京大学総長)
- 9:50 挨拶
- 立川敬二(JAXA理事長)
- 10:00 祝辞
- 10:15 大学共同利用と学際理工学
- 西村 純(元宇宙科学研究所長)
Session 2(11:00-12:30)
- 11:00 JAXAの宇宙科学と学際理工学
- 向井利典(JAXA統括チーフエンジニア)
- 11:20 東大における学際理工学
- 岡村定矩(東京大学副学長)
- 11:40 JAXA他本部から見た学際理工学
- 坂田公夫(JAXA総合技術研究本部長)
- 12:00 日本の宇宙開発体制と大学
- 松尾弘毅(宇宙開発委員会委員長)
- 12:20 質疑応答
Session 3(13:30-15:20)
- 13:30 ビデオ上映
- 13:50 学際理学研究のハイライト(1):オーロラ、宇宙の嵐、宇宙プラズマ現象から大気の進化まで
- 関華奈子(名古屋大学太陽地球環境研准教授)
- 14:10 学際理学研究のハイライト(2):宇宙から宇宙を探る
- 中川貴雄(JAXA宇宙科学研究本部教授)
- 14:30 「はやぶさ」を創った人々 -学際工学のハイライト-
- 橋本樹明(JAXA宇宙科学研究本部教授)
- 14:50 大学院生にそこまで任せるのか? -内部と外部、双方から見た学際理工学-
- 山川 宏(京都大学生存圏研究所教授)
- 15:10 質疑応答
Session 4(15:40-17:20)
- 15:40 ビデオレター
- 土井隆雄(宇宙飛行士)
- 15:45 ロケット作りの現場から
- 木内重基((株)アイ・エイチ・アイ・エアロスペース取締役)
- 16:05 衛星作りの現場から
- 北出賢二(NEC宇宙システム部長)
- 16:25 組織と人間から見た宇宙開発 -NASDAとISAS-
- 松浦晋也(科学技術ジャーナリスト)
- 16:45 宇宙物理と素粒子物理における、大学と研究所の連携
- 釜江常好(スタンフォード大学教授)
- 17:05 質疑応答
- 17:15 閉会の辞
- 牧島一夫(東京大学理学系研究科教授)
司会:的川泰宣(JAXA技術参与)、横山広美(東京大学准教授)
ライブ中継
当日はシンポジウムの様子をインターネットで中継します。
問い合わせ
東京大学大学院理学系研究科・理学部
電話:03-5841-7585
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