2018/11/01

東大理学部 高校生のための冬休み講座 2018

一緒に理学の未来を作りませんか。
東京大学理学部では世界をリードする Top Scientists による高校生のための特別授業を公開します。受講された方全員に、東京大学理学部シャープペンを差し上げます。 ぜひ、ご参加ください。

日時

  • 2018年12月25日(火)、12月26日(水)
  • 両日ともに13:00-16:30

 

タイムスケジュール
13:00-13:05 冒頭挨拶
13:05-13:50 講義1
13:50-14:05 質疑応答
14:05-14:15 休憩
14:15-15:00 講義2
15:00-15:15 質疑応答
15:15-15:25 (休憩)
15:25-16:10 講義3
16:10-16:25 質疑応答
16:30 終了

講義内容

12月25日(火)

講義1
【ビッグデータから読み解く生命システムの部分と全体】
生物情報科学科 黒田 真也 教授
黒田 真也 教授
— 経歴 —
大阪大学医学研究科大学院博士課程修了、奈良先端科学技術大学院大学助手、東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻特任助教授、2006年より現職。医学博士。

生命システムは、数万の遺伝子やタンパク質、数千の代謝物が複雑に絡み合ってできています。近年の計測技術の発展により、これらの分子群を一斉に大規模に計測できるようになってきました。生命科学においてもビッグデータ時代が到来しており、これまで誰も伺い知ることができなかった生命システムの全貌が明らかになりつつあります。私たちはビッグデータから個別の分子(部分)から、これらが絡み合った大規模な分子ネットワーク(全体)を構築する解析手法を開発して、生体の恒常性(ホメオスタシス)のメカニズムの全貌を明らかにしつつあります。講義では、ビッグデータから構築された大規模分子ネットワークを読み解くことにより、これまで誰も見たことがなかった生命システムの全貌についてお話します。

 
講義2
【ほんの少し双有理代数幾何学 -円と直線はほとんど同じ?】
数学科 小木曽 啓示 教授
小木曽 啓示 教授
— 経歴 —
東京大学大学院数理科学研究科教授、大阪大学名誉教授。東京大学助手、お茶の水女子大学講師、東京大学助教授、慶應義塾大学教授、大阪大学教授を経て2016年より現職。博士(理学)。1998年日本数学会賞建部賢弘賞受賞、2009年日本数学会賞代数学賞受賞、2014年国際数学者会議(ICM)招待講演者。

直線は無限に伸びたまっすぐな図形で円は丸く閉じた図形です。この意味で、直線と円は全く異質の図形です。また、皆さんが高校で学んだあるいは学んでいるように、直線の式は1次式で円の式は2次式なので、代数的にも全く異質なものに見えます。この講義では、代数幾何学的の立場から見ると、直線、円、更には、放物線、双曲線は、どの2つも"ほとんど同じ図形"に見えること、また、射影空間という、平面に無限のかなたを付け加えて閉じた図形を作ると、その中では、すべて同じ図形に見えることもお話したいと思います。これらの例と2つの意味でもう少し高次の図形も観察に加えることで、現代的な双有理代数幾何学の一端についてお話したいと思います。

 
講義3
【固体状態で強く発光する有機分子】
化学専攻 山野井 慶徳 准教授
山野井 慶徳 准教授
— 経歴 —
千葉大学 大学院自然科学研究科 多様性科学専攻 博士課程修了、東京大学理学部助手、助教を経て2009年より現職。博士(理学)。

我々の身の回りには発光する有機分子が沢山あります。その多くは発光性の有機分子が溶液状態やポリマー内に分散した状態で発光します。しかしながら、同じ発光分子でも固体状態や粉末状態では発光強度が極度に低下する(消光する)ものが殆どです。本講座では固体状態でなぜこれらは消光するのか、どのようにしたら発光するようになるのか、研究室で開発している有機分子を例に挙げて説明いたします。

 

12月26日(水)

講義1
【電波で観る惑星系の形成過程】
天文学科 相川 祐理 教授
相川 祐理 教授
— 経歴 —
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、日本学術振興会海外特別研究員、神戸大学理学部助教、同准教授、筑波大学計算科学研究センター教授を経て2017年より現職。博士(理学)。

太陽のような星(恒星)は、銀河の中を漂うガスが互いの重力で集まり、収縮することで形成されます。生まれたばかりの星は円盤状のガスに取り囲まれています。ガスには微量の砂粒やすす(ダスト)が含まれていて、これが集まって地球のような惑星が作られます。現在、アタカマ砂漠(チリ)のALMA望遠鏡では、円盤内でのダストとガスの分布、速度分布、化学組成などを観測できます。講義では、ALMAでの最近の観測とそこからわかってきた惑星系の形成過程についてお話しします。

 
講義2
【明るいブラックホールの話~誕生、成長、合体~】
物理学科 吉田 直紀 教授
吉田 直紀 教授
— 経歴 —
ドイツ ミュンヘン大学大学院天文学専攻修了。ハーバード大学研究員、名古屋大学大学院学研究科助教、東京大学IPMU特任准教授を経て、2012年より現職。PhD。

最近の大型望遠鏡を用いた遠方宇宙観測により、私たちから130億光年も離れた場所にある超巨大ブラックホールが発見されました。モンスター級のブラックホールのはいつどこで生まれたのか。その鍵は「暗黒の時代」とよばれる宇宙最初の三億年にあると考えられています。講義では最新の観測データやコンピュータシミュレーションの結果を用いてブラックホールの誕生と進化についてわかりやすくお話しします。

 
講義3
【洞窟で探る気候変動と日本人の営み】
地球惑星環境学科 狩野 彰宏 教授
狩野 彰宏 教授
— 経歴 —
スウェーデン ストックホルム大学地質学地球化学専攻博士課程修了。広島大学助手,准教授,九州大学教授を経て,2016年より現職。PhD

猛暑続きだった今年の夏。地球温暖化を恨んだ方も多かったことでしょう。今後の事はさておき,過去には今より暑い時期が何度もありました。例えば,6000年前。日本列島に縄文人が生活していた頃です。ワイルドな縄文人にとってクーラーは不要かもしれませんが,一部の人たちは一年中温度が安定している洞窟を利用していました。私は洞窟にできる鍾乳石を使って昔の気温を復元しています。最先端の分析装置を使って得たデーターからは,過去の気温とともに,昔の日本人の暮らしぶりについても想像できます。彼らは驚くべき方法で生活の糧を得ていたのです。

 

会場

 

定員

各日170名(事前申込制・先着順)

※どちらか1日のみ参加も可能ですが、両日ともに受講されることをお勧めします。

※申込みは各日毎にお願いします。

参加費

無料

対象

高校生 ※中学生も参加可能

持ち物

筆記用具・ノート ※講義の撮影・録音はご遠慮いただいております。

申込方法

申込フォーム(先着順)※申込みが定員に達したため受付を終了いたしました。

※理学部では「バリアフリー支援」を行っております。

※注意事項

  1. 必要事項をすべてご記入いただいた方は、ご参加いただけます。作文の欄がございますので、必ず参加のご本人が記入をしてください。
  2. 申込み送信後、メールアドレスに申込み履歴・確認メールは送信されません。ご了承ください。
  3. 参加証を受信するアドレスが携帯の場合、パソコンからのメールを受信できる設定にあるかご確認をお願いします。参加証が届かない可能性がございます。
  4. 定員人数を超過した場合、申込みを締め切ります。
  5. 当日は参加証メールを携帯やプリントアウトで確認できる状態でお持ちください。

※ご案内(参加証発行)の時期について:

お申込みから7日以内に参加証を登録のメールアドレスに送信します。7日を過ぎても参加証が届かない場合は広報室まで御連絡をお願いします。

※申込みをいただきました方々には一部の方を除いて参加証を発行済みです。

まだ、参加証を受け取れていない方がいらっしゃいましたら広報室までメールでお問い合わせください。

 

プレゼント

受講された方全員に、東京大学理学部ロゴ入りシャープペンを差し上げます。

プレゼント

主催・お問合せ

東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室

TEL 03-5841-7585
E-mail kouhou.s@gs.mail.u-tokyo.ac.jp

日本地球惑星科学連合が主催し、東京大学理学部が後援する「高校生のための冬休み講座2018」も引き続き開催いたしますのでご興味のある方は、ぜひご参加ください。

開催日:2018年12月27日(木)13:00~16:00

  1. 「火星の水と表層環境の進化史」
    臼井 寛裕 教授 JAXA宇宙科学研究所
  2. 「始原的な気体「メタン」と地球生命科学の未来」
    高野淑識 主任研究員 海洋研究開発機構 生物地球化学研究分野

 

場所:東京大学本郷キャンパス理学部1号館2階 小柴ホール
参加費:無料
対象:高校生 ※中学生も参加可能
定員:170名(事前申込制・先着順)
主催:公益社団法人日本地球惑星科学連合
後援:東京大学 大学院理学系研究科・理学部

お申込みはこちらをご覧下さい。
http://www.jpgu.org/public/20181227/

〇主催・お問合先:公益社団法人日本地球惑星科学連合 事務局
Tel:03-6914-2080
E-mail: office@jpgu.org

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

  • このエントリーをはてなブックマークに追加