理学部イメージコンテスト2010 最優秀賞・応募作品一覧

School of Science, The University of Tokyo IMAGE CONTEST 2010

広報委員会(オープンキャンパス実行委員会)

東京大学大学院理学系研究科・理学部では、日々の研究の一こまにある美しい、あるいは楽しい瞬間を写真に収めて競う「東京大学理学部イメージコンテスト 2010」を2010年8月4日の東京大学理学部オープンキャンパスにて開催しました。東大理学部の学生、教員の16作品を展示いたしました。当日は来場者の方をはじめ、スタッフや関係者による投票により、上位3作品が最優秀賞に選ばれました。最優秀賞受賞者には、表彰状及び賞品の図書券を贈呈、作品は小柴ホールホワイエに半年程展示されます。受賞者の皆さま、おめでとうございます。コンテスト出品作品は東大理学部イメージバンクに掲載されております。イメージコンテストは来年度以降も開催する予定です。

最優秀賞受賞作品

研究データ部門

「世界一高い天文台」

本原顕太郎 天文学教育研究センター 准教授

天文学教育研究センターがチリ・アタカマの標高5640mの山頂に設置した、世界最高地点の天文台(TAO)です。左下で明るく光っているのは最近できたリチウム鉱山で、人間の経済活動の広がりには驚かされます。» イメージバンクのページへ

コメント
澄んだ星空と遠景の組み合わせから、学問をすることと、この地球に生きていることの二重の喜びが伝わってきますね。
美しい星空とそれに迫る「世界一高い天文台」のみならず、リチウム鉱山の光も入って、全体として人間の活発な活動を現す作品になっており感銘を受けました。
富士山よりもさらに2000メートル位高い場所にあることに驚きです。ここからだと空気が澄んでいてきれいな星空が見えそうです。

研究生活部門

「昼下がりの新緑」

横井孝暁 地球惑星科学専攻 博士課程 3年

理学部および理学系研究科では、毎年5月に小石川植物園で交歓会を行っており、その時撮影致しました。『イロハモミジ』という名前だそうです。» イメージバンクのページへ

コメント
1本のモミジの木とは思えない、森の生命力を感じました。視点に脱帽です。
伸びゆく力を感じる作品で、学生と教員が多く集まる交歓会のテーマと重なりよい作品だと感じました。
暑い時はここで休憩したくなりそうな場所を上手く撮影されています。この場所にいると落ち着く事ができ、仲間とのディスカッションがはずみそうです。

研究データ部門

「ブラックオパール・サイトスケルトン」

上田貴志 生物科学専攻 准教授

庭の嫌われ者、ゼニゴケのアクチン繊維(細胞骨格の一種)を3秒毎に撮影し、赤、緑、青に着色したのち重ね合わせた。移動していない繊維は白色に、ダイナミックに移動している繊維は様々な色に観察される。» イメージバンクのページへ

コメント
闇に浮かび上がった妖しい光に魅せられました。「嫌われ者」のイメージも伝わってきます。
まさにブラックオパールのような美しい写真に目を奪われましたが、色は線維の移動によってつけられていることを知り、研究内容に思いを馳せることができる作品でした。
生きた細胞の動きが様々なカラフルな着色により可視化できるのには驚きです。生物の機能解明に一歩ずつ近づいている感じを受けました。

応募・賛助出品作品

研究生活部門

「地下の風景」

森谷哲理 情報科学科 学部3年

情報科学科では、通称‘地下’と呼ばれる学生端末室に皆入り浸ります。そのため、地下は快適な学習環境を実現するためのアイテムで溢れています。地下よ永遠なれ!

研究データ部門

「浅間山火山の噴火中の噴煙中火山ガス可視化イメージ(figure1.jpg)」

風早竜之介 地球惑星科学専攻 博士課程2年

浅間山火山での噴火中の噴煙中の二酸化硫黄の分布・量を紫外線を用いてイメージング・定量したものです。色づけが二酸化硫黄の量に対応しています。

研究データ部門

「イタリア・ストロンボリ火山におけるストロンボ式噴火(figure2.jpg)」

風早竜之介 地球惑星科学専攻 博士課程2年

イタリア・ストロンボリ火山において観測中に撮影したストロンボリ式噴火の様子です。» イメージバンクのページへ

研究データ部門

「Quantum oscillator」

Erik Lotstedt     JSPS postdoctoral fellow Yamanouchi lab Department of Chemistry

Density of a quantum particle in a harmonic well driven by a pulsed electric field. Time goes from left to right.» イメージバンクのページへ

研究データ部門

「海面上昇で水没すると言われるツバル(1.空撮)」

茅根創 地球惑星科学専攻 教授

南太平洋のツバルは、環礁からなる国で標高が1~2mと低平で、地球温暖化による海面上昇によって水没すると言われている。

研究データ部門

「海面上昇で水没すると言われるツバル(2.海岸)」

茅根創 地球惑星科学専攻 教授

高潮位のときには、人々が居住する土地まで、あと50cmほどまで海面が迫っている。

研究データ部門

「海面上昇で水没すると言われるツバル(3.内陸の浸水)」

茅根創 地球惑星科学専攻 教授

高潮位のときには、島の内側にも海水が湧き出してくる。こうした現象はツバルでは元々起こっており、そうした脆弱で1平方キロほどの島に5千人もの人が住んでいることが問題であり、現在ツバルで起こっている問題はグローバルというより、ローカルな問題であることがわかった。しかし、こうしたローカルな問題が、今世紀に起こることが予想されている地球規模の問題(今世紀中に海面が20~60cm上昇)に対するツバルの脆弱性を高めている。

研究データ部門

「野生株(左)とgra-D変異株(右)の葉の写真」

塚谷裕一 生物科学専攻 教授

図の下部は、gra-D 変異株で染色体が重複した領域を示す。4番染色体全体が青い帯で示されている。青色の細い線1つ1つが遺伝子を、縦軸は遺伝子量を示している。この図から、4番染色体の右側で遺伝子量が倍になっている事が分かる。» イメージバンクのページへ

研究データ部門

「クサナギカズラの花」

中山北斗 生物科学専攻 研究員

これはアスパラガス属の一種、クサナギカズラの花で、雌蕊の下部で光っているのが蜜腺より分泌された蜜です。蜜に引き寄せられる虫のように、蜜腺のかたちづくりの不思議に研究者達は魅了されています。» イメージバンクのページへ

研究データ部門

「木のミクロ構造」

小田祥久 生物科学専攻 特任研究員

木を構成する細胞を試験管内で作り出し、顕微鏡で観察しました。細胞壁を赤い蛍光色素で染色すると、ところどころに孔の空いたような細胞壁の模様が見られます。このような細胞壁の構造は、木を構成する細胞のうち、後生木部道管と呼ばれる細胞に特有のものです。» イメージバンクのページへ

研究データ部門

「線虫体内の脂質分子を“染めず”に見る」

加納英明 化学専攻 准教授

ラマン分光法は分子の“指紋”であるラマンスペクトルを用いることで、分子種を“染めず”に同定することが出来る分光手法です。本イメージは、コヒーレントラマン・イメージングという、近年新しく開発された手法を用いて得た、線虫の体内における脂質分子のイメージング結果です。明るい輝点は、主に脂肪滴であると考えられます。» イメージバンクのページへ

研究データ部門

「特定ニューロンがGFP発現する遺伝子改変メダカ」

岡良隆 生物科学専攻 教授

生きたメダカを卵膜の外から観察しても緑色に光るGnRH2ニューロンがわかる。» イメージバンクのページへ

研究データ部門

「ショクダイオオコンニャクの“花”」

邑田仁 教授 附属植物園

世界一大きいと言われるショクダイオオコンニャクの“花”は、多数の花とそれを囲む葉(仏炎苞)および中央に立つ茎(花序付属体)からなる花序である。本当の花は、仏炎苞を切り開かないと見ることができない。» イメージバンクのページへ