理学部イメージコンテスト2009 最優秀賞・応募作品一覧

School of Science, The University of Tokyo IMAGE CONTEST 2009

広報委員会(オープンキャンパス実行委員会)

東京大学大学院理学系研究科・理学部では、日々の研究の一こまにある美しい、あるいは楽しい瞬間を写真に収めて競う「東京大学理学部イメージ・コンテスト 2009」を2009年8月6日の東京大学理学部オープンキャンパスにて開催しました。東大理学部の学生、教員から14作品の応募がありました。当日は来場者の方をはじめ、スタッフや関係者による投票により、上位3作品が最優秀賞に選ばれました。

最優秀賞受賞の作品は、東大理学部イメージバンクに掲載することになりました。受賞者の皆さま、おめでとうございます。イメージ・コンテストは来年度以降も開催する予定です。

最優秀賞受賞作品

研究データ部門

「沈む天の川銀河中心」

本原顕太郎(天文学教育研究センター 助教)

南米チリ・アタカマにある標高5600mのチャナントール山山頂で天文台建設のためのサイト調査時のひとこま。手前に写っているのが調査用の小型望遠鏡です。南半球なので天の川銀河の中心が良く見えます。 » イメージバンクのページへ

コメント
天の川銀河がこんなくっきりと見えることに感心しました。多くの票が集まったのも,よくわかります。
とても幻想的なものを感じました。天文学の魅力を伝えるよい写真と思います。
あたりの静寂まで感じられる良い写真ですね。

研究データ部門

「不思議な砂漠の砂」

荻原成騎(地球惑星科学専攻 地球生命圏大講座 助教)

薄片にした砂漠の砂の偏光顕微鏡写真、クロスニコル。同心円状に成長したウーライト(魚卵状)が美しい。浅海でできたウーライトが、風で飛ばされ砂漠まで運ばれたのであろう。Egypt, Merse Matru, 2nd dune » イメージバンクのページへ

コメント
パターンの画像的な面白さが、イメージバンクの趣旨にぴったりでした。魅惑的な像で見ていて飽きません。
自然の作る物のすばらしさを感じました。砂漠の砂ってこんなにきれいなのですね。
粒の形からその来歴に思いをはせる説明文を読んで、「椰子の実」の歌を思い出しました。

研究生活部門

「明け方のCERN」

大録誠広 (物理学専攻 博士課程1年)

素粒子物理と加速器の世界的な研究所、CERNのバス停前で。LHCが故障から復帰する今年、素粒子物理の新しい展望は開けるのだろうか。 » イメージバンクのページへ

コメント
CERNの夜明けの風景に、目前に迫っている素粒子物理の新しい展開を二重写ししたところが惹かれました。
とてもきれいな風景で、一度訪れてみたいと思いました。飛行機雲に新粒子の飛跡を見たのでしょうか。トラブル続きのCERNですが、きっと道は開けます。

応募作品

研究生活部門

「二つの壁を持つ町」

豊田丈典 (地球惑星科学専攻 博士課程 1年)

ドイツのネルトリンゲンという町を訪れた際に撮影しました。この町は約1500万年前に隕石の衝突でできた盆地の中にあります。写真で遠くに見える稜線は、衝突クレーターの「リム」と呼ばれる高まりに相当します。

研究生活部門

「見える? 見えなーい」

荻原成騎 (地球惑星科学専攻 地球生命圏大講座 助教)

房総半島における学生実習中の一コマです。ルーペを使って、海岸に露出する岩石中の微化石や鉱物を観察しています。実はこの時、約20人の学生がこのようなポーズで海岸に這いつくばっていました。ちょっと不気味な集団ですよね。

研究データ部門

「先週からのシミュレーションうまくいった?」

手塚真樹 (物理学専攻 客員共同研究員 (日本学術振興会特別研究員-PD))

理学専攻上田研究室では、物の量子力学的性質が強く現れる様々な現象を理論的に研究している。極低温の原子気体の挙動や、量子系の持つ情報とその制御など、異なる専門を持つメンバーが、日夜議論を重ねている。

研究データ部門

「Anthropoidea's ancient faces??」

小野英理(制作)・松平 一成(撮影)・小野 英理(生物科学専攻人類遺伝学教室 石田研究室 特任研究員)・松平一成(D2)

真猿類(Anthropoidea)を世界各地で撮影し、系統樹に沿って順番に画像合成しました。私たちの祖先はこんな顔だったかもしれません。一番外側が現生動物で、中心に向かうほど時間が遡ります。

研究生活部門

「KEKでの日々」

大録誠広(物理学専攻 博士課程1年)

研究の合間にレトロゲームに興じる、心は少年の大学院生(独身)。日々の研究に疲れた時、鮮やかなスイカフロートの赤と、故障で白黒しか映らないスーパーファミコンの画面が、彼に大事な何かを思い出させてくれる。

研究データ部門

「不夜城」

山口保彦(地球惑星科学専攻 修士課程2年)

地球深部探査船「ちきゅう」は、人類史上初めてマントルへの大深度掘削を可能にする、世界最大の科学掘削船です(全長210m、高さ130m)。掘削中・停泊中を問わず、24時間フル稼働で働き続けています。

研究データ部門

「サンプルまだかな」

山口保彦(地球惑星科学専攻 修士課程2年)

地球深部探査船「ちきゅう」上で用意した、海底下掘削サンプルを分析するための容器。希少なサンプルが船上に届くのを、今か今かと待ち焦がれています。

研究データ部門

「2億5千万年前の縞々」

山口保彦(地球惑星科学専攻 修士課程2年)

藻類などが何万年と降り積もってできた、約2億5千万年前の赤色の地層。縞々のパターンや化学成分などから、史上最大の生物大量絶滅事件や地球環境変動の原因が、徐々に分かってきました。

研究生活部門

「お花畑の調査」

山口保彦(地球惑星科学専攻 修士課程2年)

ピクニックではなく、アメリカ西部デスバレーにある、6億年以上前の地層調査です。2月でしたが、岩肌むき出しの荒地に野花が咲き乱れる、不思議な光景の中の調査でした。

研究生活部門

「砂漠の調査」

山口保彦(地球惑星科学専攻 修士課程2年)

アメリカ西部デスバレーの砂丘の調査。自然の大きさに圧倒されながらも、足の疲れにへこたれながらも、調査は続きます。

研究データ部門

「6 styles」

安藤康伸(物理学専攻常行研究室 博士課程1年)

地球はアルミニウム原子を表しており、右下のようにアルミニウムを並べたシートの周りの「電子」にまつわる6つの意味のあるデータです。このデータは実験で得たものではなく、コンピュータで計算した結果です。