生物科学専攻の塚谷裕一教授が日本学術振興会賞を受賞しました

塚谷裕一先生の日本学術振興会賞受賞をお祝いして

生物科学専攻 米田好文教授

塚谷裕一教授

本学部生物科学専攻塚谷裕一教授が平成19年度日本学術振興会賞を受賞されました。塚谷博士は神奈川県生まれ、本学理学部出身で大学院理学系研究科を経て博士号取得後、東京大学分子細胞生物学研究所の助手に採用されました。その後、1999年に岡崎共同利用研究機構・基生物学研究所助教授となられました。さらに2005年には、本学生物科学専攻教授に異動され現在に至っています。この間、研究・教育に多大な尽力をされてきております。今回の受賞は、その功績が評価されたものです。

塚谷博士は植物各分野の圧倒的な知識に基づき、主に分子遺伝学的手法で目覚ましい業績をあげてきています。特に、シロイヌナズナの葉の形作りの発生分子遺伝学的研究では、葉の平面性に関する遺伝的制御が、縦横二次元に分割できることを初めて示したほか、器官レベルでの細胞の振る舞いを制御する未知のシステムの存在を指摘するなど、多くの新知見を発表しこの領域を世界的に主導しています。特に葉の二次元展開に関する研究成果は、すでに海外の発生学の教科書にも引用されるなど、国内外での評価の高いものです。

また、塚谷博士はフィールドワークに基づく実地の植物多様性の研究にも尽力し、新種の発見など系統分類学的業績も平行して挙げています。このような分類、形態、進化の側面の知識に基づき、シロイヌナズナ研究の成果は植物多様性の分子遺伝学基礎研究へつながるものと、その発展が期待されています。

さらには、数多くの普及書・啓蒙書の出版などを通して、社会への知の還元と、植物に対する人々の知的好奇心の裾野を拡げる活動にも関与しておられます。このように塚谷博士はご自身で研究を推進するとともに、今後広い視野に立って植物科学分野全体の発展に大きく貢献る人材と期待されています。今後ますますの発展を期待しています。