岩槻邦男名誉教授が文化功労者として顕彰されました

岩槻邦男名誉教授

本学名誉教授の岩槻邦男先生が平成19年度文化功労者として顕彰されました。岩槻先生は兵庫県生まれ、京都大学理学部のご出身で卒業後、京都大学理学部で教鞭をとられました。その後、1981年に東京大学理学部附属植物園教授となられ研究・教育に尽力されるとともに、5期10年にわたり附属植物園園長をつとめられました。本学を定年退官されて後は立教大学、放送大学で活躍され、現在は兵庫県立人と自然の博物館の館長を務めておられます。1994年には「植物の多様性の解析およびその滅失に関する保全生物学的研究」により学士院エジンバラ公賞を受賞されました。

岩槻先生は多年にわたり植物分類学の研究に努め、多くの業績をあげられました。専門であるシダ植物の系統と分類に関する分野では、ヒメシダ科・コケシノブ科の系統分類学的研究を地球的視野の下で行い、既存の分類体系を改訂しました。また、附属植物園において分子系統学的研究を推進し、シダ植物、裸子植物の系統関係を世界にさきがけて解明するなど、我が国の植物分類学を世界の第一線に押し上げ、分子生物学など他分野の研究者からも高い評価を得てきました。さらに中国西南部から東南アジア全域に渡る植物相の調査・研究のために多くのプロジェクトを立案・実施され、我が国の研究者と現地の研究者とが一体となった幅広い植物多様性研究の発展に計り知れない貢献をされました。

最近では植物多様性の保全に関する研究に取り組み、生物多様性の点から生物種の絶滅・地球環境問題について社会に訴えるとともに、優れた在野の植物研究家とも協力して我が国の植物レッドデータブックの作成を行い、さらには、数多くの普及書・専門書の出版などを通して、社会への知の還元と、植物に対する人々の知的好奇心の裾野を拡げるなど、その活動の幅を大きく広げておられます。

このように岩槻先生はご自身で研究を推進するばかりでなく、広い視野に立って関連分野全体の発展に大きく貢献されています。今後ますますのご活躍を期待しています。