生物化学専攻の黒田真也教授が文部科学大臣表彰「若手科学者賞」を受賞

黒田真也教授

生物化学専攻の黒田真也教授が、シグナル伝達機構のシステム解析の研究により、文部科学大臣表彰「若手科学者賞」を受賞しました。本賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者におくられるものです。

研究概要

生命現象を織り成す分子ネットワークは多様で複雑であるため、生命現象の究極的な理解には実験的手法とコンピュータシミュレーションの両方が必要であることが認識されつつある。一方、ERKを含むシグナル伝達機構は同じ分子ネットワークであっても、特定の情報をその活性化の時間波形にコードすることによって極めて多彩な生命現象を制御する。その中でもPC12細胞での増殖と分化のスイッチ機構は顕著に注目されている系である。PC12細胞では同じERK分子が一過性あるいは持続性に活性化することで、それぞれ細胞の増殖あるいは分化という異なる細胞運命を導く。黒田教授は、PC12細胞が増殖因子に対して反応する様子をコンピュータシミュレーションで再現して、ERK分子ネットワークが増殖因子の投与速度と濃度を別の情報として捉えて、それぞれ一過性あるいは持続性の活性化に変換していることをシミュレーションで予測し実験で実証することに世界で初めて成功した。

これらの研究成果は、新しい生命科学分野であるシステム生物学に大きく貢献するものであり、ライフサイエンス全般の幅広い分野での展開が期待される。