本学名誉教授の西島和彦先生が平成15年度の文化勲章を受章

西島和彦先生

本学名誉教授の西島和彦先生が平成15年度の文化勲章を受章されました。西島先生は1926年東京のご出身で本学物理教室を卒業後、大阪市立大学、米国イリノイ大学で教鞭をとられました。その後、1966年に東京大学理学部物理学教室教授となられ1986年に京都大学基礎物理学研究所に所長としてお移りになるまで本学の研究・教育に尽力されました。1979-82年には理学部長をお務めになっています。

今回受章の対象となった「西島・ゲルマン」の法則は、1950年代に奇妙な粒子と呼ばれた K, Λ, Σ 粒子などの一群の粒子の振る舞いを、奇妙さ(ストレンジネス)と呼ばれる量子数を導入することにより説明したお仕事で、あまりにもよく知られています。西島・ゲルマンの法則によれば、素粒子の持つストレンジネスを S 、バリオン数を B 、アイソスピンの第三成分を I3 とし電荷を Q とするとこれらの量の間には Q = e(I3 + S / 2 + B / 2) の関係が成立します。

ストレンジネスの概念は現在では素粒子のフレーバーとして一般化され、カラーと共に素粒子のもつ最も基本的な量子数として、現代の素粒子物理学の中心的な概念を形成しています。

西島先生はストレンジネスの導入のほかに、場の理論における束縛状態の記述や分散理論を用いた場の理論の再構成、さらに繰り込み群を用いたゲージ理論の分析などにも優れた業績を残されています。また、先生は明快な教科書を書かれることでも良く知られており、以前ベンジャミンから出版された「Fundamental Particles」や「Particles and Fields」は院生の間で広く用いられました。日本語の教科書としては「場の量子論」(紀伊国屋書店)などがあります。

西島先生は1989年に学士院会員となられ、1993年には文化功労者に選出されておられます。理学系研究科・理学部を代表して、心からご受章をお祝い申し上げます。