佐藤政充
出典: 東京大学 大学院理学系研究科 教員情報 Wiki
研究分野
細胞生物学・分子生物学・分子遺伝学
研究テーマ
分裂酵母をモデル生物とした、細胞分裂(体細胞分裂・減数分裂)の分子機構の解明、および微小管が細胞内で果たす役割についての研究
研究内容の概要
細胞の分裂には、通常の細胞増殖に利用される体細胞分裂と生殖細胞を産生する減数分裂という二つの分裂様式があり、細胞のおかれた環境及び条件に応じてどちらの様式に従うべきか適宜選択されている。我々のグループは細胞分裂や細胞内現象がどのような分子メカニズムで行われるかを探るために、プロジェクトを以下の4項目に分類して研究している。
(1)微小管の観点からみた、体細胞分裂と減数分裂の制御機構の解明: チューブリンタンパク質の重合によって作られる「微小管」という構造は、細胞分裂の際に染色体を分配するのに必須の役割を担う。このスピンドル微小管(紡錘体微小管)は染色体を結合して引っ張ることで、複製された染色体を2個の娘細胞に分配する。染色体分配の異常は細胞の癌化と密接に関連していると考えられており、この過程は異常のないように確実に遂行されなければならない。本プロジェクトでは、スピンドル微小管がどのように制御されることで、染色体分配を実行しているのか、分裂酵母を主なモデル生物として、遺伝学的・細胞生物学的アプローチから解明する。
(2)体細胞分裂と減数分裂の違いはどこにあるのか?: 生殖細胞を産生することに特化した減数分裂は、体細胞分裂と比較して様々な構造的差異が存在するが、これらはどのようにして生じ、どのような生物学的重要性があるのか、細胞周期及び細胞分化の観点から研究する。
(3)細胞極性の研究: 上記(1)の通り、分裂期には微小管は染色体を分配するのに必須の役割を担うが、分裂期以外の時期には、微小管は細胞質に網目状に形成されて、細胞の極性や形作りに貢献する。本研究では海外(英国・イタリア)のグループと共同研究することにより、細胞極性が確立される分子メカニズムを探る。ここでは、遺伝学的手法・最先端顕微鏡観察・システム生物学を分野を超えて融合させ、細胞極性の成立を数理モデル的に解明する。
(4)分裂酵母のライブ・イメージングの推進: 上記3つの研究内容においては、分裂酵母の細胞内に3種類以上の蛍光タンパク質を発現させて、細胞が生きたまま、細胞内構造のダイナミックな動きや細胞内タンパク質の挙動を高性能蛍光顕微鏡にて観察する手法を多用する。そこで、このライブ・イメージングの技術を推進し、技術を発展させることで、これまで見つかっていなかった細胞内現象の発見を目指す。
キーワード
分裂酵母、減数分裂、細胞周期、細胞分化、遺伝学、細胞生物学、DNA複製、染色体分配、微小管構造、細胞極性

