NHK Eテレ2355で放映されたおやすみソング「小石川植物園に行ってみました」

NHK Eテレ2355で放映されたおやすみソング「小石川植物園に行ってみました」

植物園長 邑田 仁(生物科学専攻 教授)

「植物園」坂の図
「植物園」カミガヤツリ

さわがしい1日がおわり,ねる前に無心にかえって床につけたらどんなにいいだろうか。そんなときにふと思いうかべる風景はなつかしいものにちがいない。

私がまだ学生として小石川植物園で勉強していたころ,駅で開かれていた古本市で「植物園」という副題のついた「少年世界」定期増刊(1902年(明治35年)発行)をみつけた。なぜかなつかしい思いがして購入したが,その後小石川植物園に勤務するようになる啓示であったかもしれない。この本には谷活東により「植物園案内記」として小石川植物園が取り上げられ,正門から日本庭園を経て園内を一周する案内が書かれている。23時55分から放映されたおやすみソング「小石川植物園に行ってみました」を聴いた時,真っ先に思い出したのがこれである。ソテツの坂,イロハモミジ,独特の形状の温室,メダカが起こすちいさな波紋。ここで発見されている要素は明治の小石川植物園と何も変わっていない。そしてどちらにも「研究のための植物園」であることが明記されている。「研究のためのしずかな植物園」で輝かしい研究が行われてきたのだ。世の中の人々にとって,また研究者にとって小石川植物園はまぎれもない原風景である。

(関連記事は学内広報参照http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/kouhou/1456/ pdf/1456.pdf