「高い研究倫理の精神風土」を保つために-「研究倫理」講義の新規開設-

「高い研究倫理の精神風土」を保つために-「研究倫理」講義の新規開設-

教務委員長 久保 健雄(生物科学専攻 教授)

昨今,研究不正が大きな社会問題となっている。残念ながら東京大学も例外ではない。本研究科・学部では「高い研究倫理の精神風土」を維持し,研究不正の発生を未然に防止する目的で,全学に先駆けて今年度(2014年)から学部・大学院共通講義「研究倫理」を開講することとした。

今年度は本研究科・学部に属する全学生(約2,000人)を対象とした選択科目(1単位)とするが,来年度からは新入生(約900人)を対象とした必修科目とする予定である。「研究倫理」講義の開設は次の手順で行った。先ず従来,大学院講義「研究倫理」を担当されてきた横山広美准教授(科学コミュニケーション/広報室副室長)から教材をご提供いただき,これを教務委員会・教育推進委員会での検討を経て,両委員会監修教材とさせていただいた。次いで横山准教授に講師をお願いし,この教材を利用して,本研究科・学部専任教員(約300人)を対象としたファカルティ•ディベロプメント (FD) を実施した。FDの場でさらに講義の内容と在り方についての議論を行い,各学科・専攻において講義を行う際に利用する「共通教材」を作成した。これをFDを受講した一部の教員に配布し,各学科・専攻での学部・大学院生を対象とした「研究倫理」講義にご利用いただくこととした。

本講義は5コマからなる集中講義であり,最初の2コマでは上記の「共通教材」を用いた講義,3コマ目では各学科・専攻で独自の研究倫理講義を実施する。4コマ目は学生相談室のスタッフによる「ハラスメント」講義,最後の5コマ目が試験である。最初の講義は天文学科・天文学専攻で7月25日(金)に開講され,以降順次,各学科・専攻で開講される。冬学期には英語による授業も開講予定である。本講義が「高い研究倫理の精神風土」の維持・育成に役立つことを心から願っている。